ここから本文です

DeNA退団のグリエル、米メディアにヤンキース入団の希望を語る

Full-Count 4月8日(水)12時46分配信

「プレーしたい球団? ザ・ヤンキース」

 来日の遅れなどからDeNAとの契約が解除となったユリエスキ・グリエル内野手が、田中将大投手の所属するヤンキースへの入団を希望している。米ヤフーニュースが政治特集の中で「ヤンキースの次の打者。キューバのベースボールスターが禁輸措置の終了を待つ」との見出しで伝えている。

 昨年12月、米国のバラク・オバマ大統領がキューバとの国交正常化を目指すことを宣言してから、MLBもタレントの宝庫であるキューバ球界との距離を一気に縮めようとしている。そのタイミングで米ヤフーニュースが、グリエルにインタビューを実施。所属するキューバリーグのインダストリアレスの本拠地、ラティーナアメリカーノ球場で取材に応じた同選手はメジャーでプレーする希望を明かした上で、意中の球団を挙げたという。

「全世界で最高のレベルでプレーすることは全選手の夢。プレーしたい球団? ザ・ヤンキース」

 グリエルはそうコメント。好きな選手にはヤンキースに所属するアレックス・ロドリゲス内野手を挙げている。

 その一方で、現在メジャーで活躍するキューバ出身のスターはいずれも亡命選手だが、グリエルには亡命の意思はないという。

「政府が(メジャーで)プレーする許可を与えると言うのを待っている。僕たちは禁輸措置が解除されるのを待っている。その時は(メジャーで)プレーできる」

 グリエルはそう語り、キューバ人選手のメジャー移籍に関する制度が整う瞬間を待つ姿勢を見せている。

DeNA退団でイメージダウンのグリエル、それでもメジャーでは争奪戦に?

 負傷を理由に来日せず、DeNAとの契約が解除に至った同選手に関しては批判の声が相次ぎ、海外メディアも「プロの道義とは完全にかけ離れた行為」と指摘。その一方で、メジャーでの評価は高く、壮絶な争奪戦が予想されている。

 2月にプエルトリコで行われたカリビアン・シリーズではキューバチームの優勝に貢献。その際には集結したメジャースカウトからも最高の評価を手にしていた。

 米スポーツ専門局ESPNは当時、「グリエルはキューバ代表のロースター最高のピュアヒッター。数年の間、スカウトのレーダーに彼の名前は存在している。右打ちの三塁手は卓越した打撃センスによる圧倒的なバットスピードを誇る」と伝え、最高80ポイント、最低20ポイントの中でスカウト陣全員がパワー部門に関して60〜70ポイントをつけていたことを紹介。

 守備や肩も圧倒的な評価を受けており、記事では、あるメジャースカウトは「エイドリアン・ベルトレの、より打席で辛抱強いバージョン」とコメントしたことにも触れ、レンジャーズのオールスター選手と比較されたグリエルに関して、「キューバ代表でメジャーリーグのオールスターに選出されるチャンスを持つ選手がいるとすれば、それはグリエルだ」と指摘していた。

 グリエルと同世代のキューバ人内野手エクトル・オリベラは先月、ドジャースと6年総額6250万ドル(約75億円)で合意したが、5ツールプレイヤーと呼ばれるグリエルの評価はオリベラよりも高い。

 今回の退団の一件で大きなイメージダウンとなったグリエルが語ったメジャー行きの夢。圧倒的な資金力を誇る名門への“逆指名”は叶うのだろうか。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

最終更新:4月8日(水)13時48分

Full-Count