前々回から続くマスクの話。
少し時計の針を進めた、2012年の夏のことです。
前々回:日本人はマスクしすぎ! ~フランス人と同棲前5~ - コウモリの世界の図解
前回:日本の暮らしでいちばん困ること。 ~フランス人と同棲前6~ - コウモリの世界の図解
欧米でのマスク
欧米では、風邪などを予防するためにマスクをするという習慣はありません。病気の感染者がほかの人にうつすのを防ぐためにマスクをすることはあっても、健康な人がマスクをすることはないのです。
参考:全文表示 | マスクは予防に役に立つのか 日本と海外では使用法全く違う : J-CASTニュース
そのためマスクをしていると、「何かの病気の感染者」か「強盗」ではないかと怪しまれる羽目になります。
参考:日本人の「マスク」 海外で注意 - ライブドアニュース
日本でのマスク
たしかに、マスクをすること自体ではウィルス感染を予防する効果はあまり期待できません。
けれども、マスクによる保温・保湿効果が風邪の予防を期待できることや、風邪をひいたときには他人に伝染させないためのマナーであるという考えもあることから、日本の冬にはよく見かけるアイテムです。
また中には、上記のマンガで描いているマリーヌのように、一種のファッションとして、あるいは仮面のような使い方として、「伊達マスク」をする人もいるようです。そのため日本では、夏でもマスクをしている人を見かけることができます。
出展:若者に多い伊達マスク経験者とマスク依存症の実態(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース
マスクをするべきかしないべきか
健康な人がマスクをすると怪しい目で見られる欧米と、健康な人でも風邪予防やファッションとしてマスクをする日本。
どちらの文化にも一長一短があるのだろうと思うのですが、個人的には、この文化については欧米側の習慣の肩を持ちたいなと思っています。
…いちいちマスクをするのは面倒くさいからです(笑)
コウモリ自身は花粉症なのですが、マスクをしない派なのです。
マスクと花粉症と潔癖症
面倒くさがりの自分を正当化するためにそう思ってしまうのかもしれませんが、何でもかんでもキレイにしておこう・菌を防ごうとしすぎる潔癖症はあまり良くないとコウモリは思っています。
古来より人間はある程度の菌を体内に抱えて生きてきたわけで、そして外敵となる菌と戦うための免疫反応を発達させて生きてきたわけで、除菌や抗菌の商品で溢れかえっている日本文化は少し行き過ぎじゃないか、菌と適度に共存すべきではないか、という藤田先生の考えに共感するからです。
花粉症は、人間に害を及ぼすことの少ない「花粉」を敵と認識することにより生じる、過剰な免疫反応です。
そして、これはあくまで仮説ですが、もしかしたら日本社会では「キレイであること」に気を使いすぎるあまり、通常では存在していたハズの外敵となる菌が減りすぎて、花粉などの何でもないものを敵とみなす過剰な免疫反応(アレルギー)が増えているのではないか。
花粉症の正確な原因についてはまだ分かっていないことが多いですし*1、あくまで藤田先生の仮説に則ればということではあるのですが、次のような矢印があるように思えて、コウモリは笑っちゃうのです。
『人間が、身体の外敵となる菌を防ぐためにマスクする→外敵がいなさすぎて暇な免疫ちゃんが、本来は敵じゃない花粉くんを敵とみなして過剰な免疫反応を起こす(花粉症になる)→花粉症になった人間は、ますますマスクする』
適度なバランス
とはいえ、タバコのポイ捨てやガムの吐き捨てなどで地面にゴミが多くある文化に比べれば、日本の衛生環境はとても素晴らしいものです。
何事もバランスが重要だと考えるコウモリとしては、皆に倣えで過剰にマスクをしちゃう日本も、マスクすることをおかしいと考える欧米も、どちらも極端だなーと思います。
個人が何をしようが自由なハズだし、どっちでも良いんじゃないの?って思うのが正直なところです。うちの彼女みたいに、マスクしない派だった欧米人が夏でも伊達マスクする派になったっていいし、コウモリみたいに花粉症だけどマスクしない派の日本人がいたっていい。
大事なのは、それぞれに違う考え方があると知ること。そして、自分とは違う感じ方や考え方を「頭がおかしい」と頭ごなしに否定せずに、自然な疑問や提案を出しながら理解し受け止めること。
そういうコミュニケーションが出来るような人や社会を、コウモリは尊敬しています。
まだまだ難しいところはあるけれど、自分もそうありたいものです。
余談
あ。少し関係ない話にはなるのですが、風邪を他人に伝染さないためには学校も会社もお休みして家でじっとしてるのが一番だと思うので、薬を飲んでマスクして無理してでも外出するのが当たり前という風潮は嫌だなーと思っています。
参考
前回まで。
・日本人はマスクしすぎ! ~フランス人と同棲前5~ - コウモリの世界の図解
・日本の暮らしでいちばん困ること。 ~フランス人と同棲前6~ - コウモリの世界の図解
・私は犬じゃない!大と犬と太の関係 ~フランス人と同棲前4~ - コウモリの世界の図解
・「私のこと好き?」への正しい答えとは ~フランス人と同棲前3~ - コウモリの世界の図解
・僕が驚いた、あるフランス人留学生の食卓風景 ~フランス人と同棲前2~ - コウモリの世界の図解
・世界の女性に共通するたった1つの真実 ~フランス人と同棲前1~ - コウモリの世界の図解
この漫画を描いてくれている石切穂帆さんは、こちらのメアドでイラストやデザインなどのお仕事依頼を受け付けているそうです。興味のある方は是非!
ishikirihinaho@gmail.com
サイトはこちら。funachun.net
*1:花粉症は、そのメカニズムについてはある程度わかってはいるが、その原因については遺伝説や環境説や記事で紹介した説も含めて色々あって正確なことはわかっていない花粉症 - Wikipedia