【日本ハム】中田、バット叩きつけたけど３号満弾「入ると思わなかった」

感触が悪かったのか、バットを叩きつけ悔しがる中田

◆オリックス２―７日本ハム（５日・京セラドーム大阪）

　日本ハム・中田が１点リードの５回２死満塁、左越えに今季３号のグランドスラムを放ち、チームを４月負けなしの５連勝に導いた。打った瞬間は左飛だと思い、バットを叩きつけて悔しがったが、自身２度目の満塁弾に。日本ハムは開幕から３カード連続勝ち越しとなった。

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　失投をとらえきれなかった。悔しさのあまり、中田は右手でバットをグラウンドに叩きつけた。５回に１点を勝ち越し、なおも２死満塁。新人の山崎福の前に２打席凡退した後の３打席目だった。「甘いボールが来いと願っていた」。２ボール２ストライクからの５球目。願い通り１３５キロの直球は真ん中に来たが、左翼ポール際へ高々と打ち上げてしまった。

　唇をかみしめて走り出したが、予想以上に打球は伸びていく。すると、レフトスタンド最前列に飛び込んだ。リーグ単独トップとなる今季３号。昨年７月２５日以来、自身２本目の満塁アーチだ。「打った瞬間、レフトフライだと思った。チャンスだったので、悔しかった。まさか入ると思わなかった」と主砲。ドーム球場にもかかわらず「風に乗ったね」と“中田ジョーク”をさく裂させた。

　男気を見せた。遠征先の宿舎では朝、起こしに来てくれるなど、公私にわたってサポートしてくれている１学年下の杉谷がこの日、今季初めてスタメン出場した。しかし、後輩は２度、満塁で打席が回ってきたが、併殺打と併殺崩れに倒れていた。

　５回の場面は、杉谷が併殺崩れの間に勝ち越し点を奪い、田中が四球でつないで迎えたチーム３度目の満塁機だった。「さすがに３度も逃したら、流れを持っていかれるからね」。ベンチに戻ってくるなり、杉谷に「たまには仕事しろよ！」と愛のムチを入れた。後輩を助ける一撃を放ち、相手の息の根を止めた。

　これでチームは５連勝。首位をキープした。栗山監督は「普通です。ああいうところで打つのが中田翔。やるときはやってくれる」と感謝した。現在、打率は２割６厘と低迷しているが、本塁打は３試合で１本のペースと勝負強さが光る。「今は調子がいい打者が多いので、のびのび打たせてもらっている」と背番号６。４番が乗ってくれば、さらにチームの勢いは加速する。

（後藤　亮太）