Updated: Tokyo  2015/04/06 17:52  |  New York  2015/04/06 04:52  |  London  2015/04/06 09:52
 

原油安が打撃-S&P500種構成企業の利益、09年以来の減少か

Share Google チェック

  (ブルームバーグ):原油価格の下落とドル相場の上昇が米国の企業利益を約5年ぶりに押し下げる見通しだ。エクソンモービル やウォルマート・ストアーズなどの企業が打撃を受けそうだ。

ブルームバーグが集計した見通しによれば、S&P500種株価指数構成企業の1-3月(第1四半期)の1株当たり利益は約5.8%減少した可能性がある。予想通りとなれば、前年同期比でのマイナスは2009年7-9月(第3四半期)以来となる。

今週はアルコアを皮切りに決算シーズンがスタートするが、エネルギー企業は最も大幅な63%の減益が予想されている。増産に伴って世界の供給が過剰となったことから、原油価格は1年前と比較して約50%下落。一方、ドル相場 は昨夏以降、通貨バスケットに対し約25%上昇した。このためユナイテッド・テクノロジーズ (UTX)などの企業の売上高が落ち込んでいる。

ハイマーク・キャピタル・マネジメントで160億ドル(約1兆9000億円)相当の運用に携わるトッド・ローウェンスタイン氏は電話インタビューで「決算シーズンに向けてさまざまな逆流がある」と指摘。「少なくとも帳簿上は業績が悪化し、利益の伸びは第1四半期と第2四半期(4-6月)の2四半期連続でマイナスになると予想される」と述べた。

影響は産業全体に波及している。USスチールは3月に、エネルギー企業の需要後退などを理由にイリノイ州の製鉄所の操業を停止する計画を発表した。ドル相場の上昇などによって鉄鋼輸入が割安となり、ニューコアなどの鉄鋼メーカーに打撃を与えている。原油とプラスチックの価格下落に加え、穀物の値下がりで農家による化学肥料の購入が落ち込んでいることからダウ・ケミカル の利益も減少する見通しだ。

原題:Oil Slump Pushes S&P 500 Toward First Profit Decline Since 2009(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Richard Clough rclough9@bloomberg.net;シカゴ Joe Carroll jcarroll8@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Kevin Miller kmiller@bloomberg.net; Edward Dufner edufner@bloomberg.net Molly Schuetz

更新日時: 2015/04/06 13:01 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。