Updated: Tokyo  2015/04/06 17:51  |  New York  2015/04/06 04:51  |  London  2015/04/06 09:51
 

米主要500社の利益不安高まる-米雇用伸び悩みで先物下落

Share Google チェック

  (ブルームバーグ):トレーダーが最も見たくないのは、米企業利益 の弱さを自分たちが過小評価している状況を示唆するものだ。

3日発表の3月の米雇用統計に対する反応はそんな心理の表れかもしれない。非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)が前月比12万6000人増と、過去1年余りで最低の伸びにとどまったことを受けて、S&P500種株価指数のEミニ先物6月限は香港時間6日午前6時15分(日本時間同7時15分)時点で、4月2日終値比0.7%安。3日の短縮取引では1%下落 していた。

投資家は米利上げの先送りにつながり得る低調な経済指標をこれまで容認できたが、企業利益を脅かす要素にはそれほど寛容ではない。3月の雇用統計では賃金が伸びたにもかかわらず雇用が鈍化した。いずれの要素も9月まで既に減少が予想されている企業利益を圧迫すると受け止められる可能性がある。

ICAPのトレーディング担当シニア・バイスプレジデント、ロン・アナリ氏は電話インタビューで、「企業利益はさらに弱い数字が出てくる恐れがある。雇用増が良いニュースになると思われたが、今回の数字を受けて先のことが誰にも分からなくなった。企業利益のこれまでの改善は効率性や生産性の向上が理由であり、この先どのくらい長く続くか確信が持てない」と述べた。

ブルームバーグの集計したアナリスト予想では、2008-09年の金融危機以降で最長の減益局面が既に見込まれており、今年第1四半期は5.8%、第2四半期は4.2%、第3四半期は1%のそれぞれ利益が減る見通し。

雇用統計  

3月の雇用者数の伸びは13年12月以降で最小だった一方、失業率は前月から変わらずの5.5%だった。12万6000人の雇用増加はブルームバーグが調査したエコノミスト予想の最も悲観的な数字を下回る。予想中央値は24万5000人増だった。2月は26万4000人増加と、速報値から下方修正された。平均時給は前年同月比2.1%増だった。

企業の雇用ペース抑制の背景には、厳冬や海外市場の不振、エネルギー関連の設備投資鈍化が米経済に痛手となったことがある。マーケットフィールド・アセット・マネジメントの最高経営責任者(CEO)トシテ100億ドルの運用に携わるマイケル・シャウル氏は「全体的には経済状態に関して強い結論を出すことは避ける」と断った上で、「しかし、この弱い統計が他の低調なデータに続いている事実から判断して、債券と株式市場はいずれも今後の決算発表シーズンで企業収益の弱い兆しに極めて敏感なろう」と記した。

原題:S&P 500 Profit Anxiety Rises After Jobs Data Sinks Futures (1)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Oliver Renick enick2@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jeff Sutherland jsutherlan13@bloomberg.net Chris Nagi

更新日時: 2015/04/06 11:09 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。