携帯電話:逆襲? ガラケーの根強い人気 その訳は…
毎日新聞 2015年04月06日 10時38分(最終更新 04月06日 11時16分)
◇出荷台数7年ぶりに増加 スマホは減少
減り続けていた従来型の携帯電話の出荷台数が昨年、7年ぶりに増加した。一方で、スマートフォン(スマホ)の出荷台数は減っている。写真撮影や電子マネーの利用など日本独自で進化し、ガラパゴス携帯(ガラケー)とも呼ばれる従来型の人気は根強い。それを当て込み、見た目はガラケーだが中身はスマホの新機種「ガラホ」も2月に登場した。ガラケーの逆襲は続くのか。【柴沼均】
東京・有楽町のビックカメラ有楽町店。入り口近くの目立つ位置に、KDDI(au)のガラケーやガラホがずらりと並ぶ。同店携帯電話コーナー主任の石川祐司さんは「ガラホは発売当初から話題だった。ガラケーになじんだ高齢者に受けているだけでなく、若い女性でも1台はスマホで、2台目はガラホという人もいる」と話す。
一方、ガラケーも、メールや電話など必要最小限の機能があればいいという人たちや小さい子ども向けに売れ続けている。「最初はスマホに押されてガラケーはすぐ無くなるのではと思っていたが根強い人気がある」と石川さん。
調査会社MM総研(東京都港区)によると、昨年のスマホの出荷台数は前年比5.3%減の2770万台で2年連続の減少。逆にガラケーは前年比5.7%増の1058万台で、2007年以来、7年ぶりに前年を上回った。同社は「たまたま従来型携帯の買い替えサイクルと当たったためではないか」と分析し、ガラケーが今後盛り返すとまではみていない。
だが総務省の昨年の調査では、従来型携帯(ガラケー)利用者の40%が次に購入する機種もガラケーを希望しているのに対し、スマホへの移行は27.1%にとどまっており、今後も一定の需要が見込まれる。
同省によると、昨年3月時点の日本のガラケーの所有率は28.7%。米国14.5%、英国10.8%、韓国17.1%と比べ高い。スマホの所有率は53.5%で、米国69.6%、英国80%、韓国88.7%に比べかなり低い。さらに、国内の契約件数でみると、スマホ6544万件に対してガラケーは5967万件(MM総研調べ)と「互角の勝負」の様相だ。