テレ朝:古賀氏降板問題 「圧力」か「暴走」か
毎日新聞 2015年04月06日 07時56分(最終更新 04月06日 09時06分)
放送現場で報道の自由は守られていたのか。コメンテーターの暴走だったのか−−。テレビ朝日の「報道ステーション」で、元経済産業官僚の古賀茂明氏が生放送中に突然、自身の降板をめぐる政権からの圧力を訴え、物議をかもしている。古賀氏、テレビ朝日、首相官邸それぞれの言い分は真っ向から対立している。【青島顕】
◇古賀氏「官邸から批判」
3月27日の番組に出演した古賀氏は、古舘伊知郎キャスターから中東情勢へのコメントを求められた際に、テレビ朝日の早河洋会長らの意向で降板に至ったと発言し、「菅(義偉)官房長官をはじめ官邸のみなさんにはものすごいバッシングを受けてきた」と語った。古賀氏は1月23日の番組では、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の日本人人質事件の政権の対応を批判し、「I am not ABE」と述べていた。
古賀氏は4月1日、毎日新聞の取材に約10分間応じた。「圧力」の内容について、菅官房長官が報道機関の記者らを相手に古賀氏らの番組での言動を批判していた、と主張したうえで「官邸の秘書官からテレビ朝日の幹部にメールが来たことがある」と語った。
また、昨年末の衆院選前、自民党が在京テレビ局各社に「公平中立」を求めた文書を配布したことについて「(テレビ朝日は)『圧力を受けていない』と言うけれど、局内にメールで回し周知徹底させていた」と批判した。
古賀氏はテレビ朝日が3月末に番組担当のチーフプロデューサーとコメンテーターの恵村(えむら)順一郎・朝日新聞論説委員を交代させたことにも言及した。「月に1度の(ペースで出演していた)ぼくの降板はたいしたことがないが、屋台骨を替えた。プロデューサーを狙い撃ちにし、恵村さんを更迭した」と語った。
一連の人事をめぐる古舘キャスターの対応については「前の回(3月6日)の出演前に、菓子折りを持ってきて平謝りだった」と述べた。