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希望小売価格は7500円
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 美しい庭園を完成すれば勝ちというボードゲーム、「枯山水」が売れている。2〜4人で遊ぶこのゲームのゴールは、美しく洗練された枯山水の庭園を造ること。プレイヤーは“禅僧”となり、寺院ボード1枚、庭園ボード4枚、砂紋タイル、5つのタイプの石とカードと駒などを使用し、庭園ボードに砂紋タイルやカードを配置していく。波紋タイルの模様のつながりやそのカード上の苔の有無、配置された石の種類や数などで加点される。

 2014年11月16日に、国内最大規模のアナログゲームイベント「ゲームマーケット2014秋」の会場で発売され、その後、ユーザーがSNS上に完成した庭の写真をアップするなどネット上で話題になった。2015年2月末時点で850個を販売し、3月中に150個を出荷したが、完売状態が続いている。

 ゲームを開発したニューゲームズオーダー(東京都立川市)の吉田恒平氏によると、現在、20〜40代のボードゲームを楽しむ層が急増していて、ゲームマーケット2014秋の来場者数も、5年ほど前の約1000人から7000人に増加。枯山水の購買者は、そうしたボードゲーム愛好者たちだという。

 開発のきっかけは、ゲームルールの企画コンテスト「東京ドイツゲーム賞」の大賞を受賞をしたこと。同社では絶版となった名作海外ボードゲームの復刻を多数行い、愛好家の要望に応えてきたが、国内ボードゲームが盛り上がる中、次の一手としてオリジナルゲームを商品化した。

 「日本独自のボードゲームはカードゲーム中心で、プレイ時間も短時間のものが多いのです。人気のヨーロッパのゲームのように、プレイ時間が1ゲーム60分以上という長めの、本格的なゲームにも大きな需要があると見込んでいました。従来の若い愛好者に留まらず、中高年にも注目され広く好意的に受け入れられたのは、枯山水というテーマだからだと思っています」(吉田氏)

(文/北本祐子)