田中志乃 山下知子
2015年4月6日14時06分
アニメやマンガの舞台になった場所を巡る「聖地巡礼」が、九州でもファンの間で根強い人気だ。地元では地域活性化への期待も膨らむ。
熊本県の人吉球磨地域は少女マンガ「夏目友人帳(なつめゆうじんちょう)」のアニメロケ地。2008~12年に放送されたアニメシリーズは実在の場所から着想を得た。作中には自然豊かな風景や、街中にある祠(ほこら)や社、駅が登場する。
作品は妖怪が見える不思議な力を持つ少年が、祖母が生前、子分にした妖怪に名前を書かせた「友人帳」を受け継ぎ、用心棒役の大妖怪・ニャンコ先生と妖怪たちに、その名前と自由を返していく日々を描く。熊本県出身の漫画家緑川ゆきさんが原作者だ。
JR人吉駅から車で5分、産交バス「田町」バス停前にある田町菅原天満宮。アニメのオープニング場面の参考とされ、今もイラストが描かれた絵馬が所狭しと並ぶ。鳥居をくぐり、石段を上って中をのぞくと球磨焼酎とニャンコ先生のぬいぐるみに、訪れたファンが書く「探訪ノート」も置いてある。
ノートは12冊目。東京、北海道、米国や中国から訪れたとの記述も。人吉温泉観光協会の尾方さちさん(34)は「作品のどこか懐かしく穏やかな雰囲気そのままの風景と、地元の人との出会いに癒やされ、繰り返し訪れる人が多い」。
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