『巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ』ジェフ・ベゾス、ラリー・ペイジ、シェリル・サンドバーグ、メリル・ストリープほか著/佐藤智恵訳(文藝春秋)
担当:文藝春秋 クレア局出版部 衣川 理花
「ハングリーであれ。愚か者であれ」
「点と点が線になる」
――故スティーブ・ジョブズの名言は、スタンフォード大学の卒業式スピーチから生まれました。
そんなジョブズのスピーチに匹敵するような“伝説のスピーチ”を収めたのが本書です。著者(スピーカー)として登場するのは、今をときめく12人。グーグル創業者、アマゾン創業者、大物投資家、教育者、アカデミー賞俳優たちです。
夢、努力、絶望、家族、仲間、キャリア、使命感、未来、など。
自らの人生を10〜20分ほどにギュッと凝縮し、イェールやMITをはじめ一流大学生への“贈る言葉”として、渾身のメッセージの数々を伝えています。
「賢さか、優しさか」を問うたアマゾン創業者のジェフ・ベゾス。ごくシンプルな言葉ながら、現代が抱えるさまざまな命題への応用が可能な内容です。
「10年に1度の金言」がみっしり
ある夜中のこと、“夢のお告げ“を受けて飛び起きた。それがグーグルのアイデアのはじまりだった、と明かすグーグル創業者のラリー・ペイジ。この本のタイトルも、じつは彼の言葉から取りました。
「地球にバックアップを」とは、テスラモーターズ創業者イーロン・マスクの壮大なスピーチ。「大学受験に3度失敗した」と明かすのは、飛ぶ鳥を落とす勢いのアリババグループ創業者、ジャック・マー。「リーン・インしつづけてほしい」。切々と訴えかける、フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ。「君には1ミリの才能もない」と宣告されたマーティン・スコセッシ監督など。
編集をスタートした当初は、想像もしなかった豪華ラインナップを実現することができました。
そもそも、海外の有名大学の卒業式スピーチが一級品揃いなのは、なぜなのでしょうか。訳者解説にもくわしいのですが、かの地の卒業式は、「全然、眠くなくて」「ロックコンサートみたいに盛り上がる」とのこと。そして、今をときめくゲストスピーカーを招聘しての“卒業式スピーチ”は、全米のニュースとして報道され、ウェブ上に動画がアップされるなり、世界中で莫大な人々に視聴されるのです。
卒業式でのスピーチは、いわば“公式自伝のプレゼン版”。
スピーカーサイドの途轍もない意気込みがつまっているのも納得です。