2015-04-06

プロジェクターで授業をする小学校教員

息子の担任は板書をしない。

どうしても何か手書きする必要がある場合は、ペンタブのようなものを使う。書いたもの電子教材が映るスクリーンに表示される。

ICT一本槍の教員かというとそうでもない。

「できるだけメモPCでとってください」とは言うものの、紙と鉛筆を使うことも認めている。

もっとも、ほとんどの児童は授業でノートパソコンを使っている。

支給品でも5万円で買わされた端末でもない。児童というか親兄弟私物だ。

「古いPCでもお下がりでも良いです」、「キーボード液晶マウス(トラックパッド)がついているものにしてください」、「購入する場合は『新品で一番安いノーパソ』を買ってください」と、学期始めの保護者会でアナウンスがあった。

父兄(フェミニストすまん)からクレームはなかった。

どの家にも旧式のノートPCくらいはあるのだろう。

それに新品を買っても3万円程度で済む。

塾代よりは安いし、学校で使わなくなったら他の用途に回せば良い。ノーパソは潰しがきく。

パソコンは教材の閲覧、ノート取り、調べ物に使われている。

一応OAタップ教室の各コンセントから伸びており、随時充電できるようになっているが、利用する児童は少ないという。

プロセッサに負荷のかかる作業をしないからだろう。また、替えのバッテリーを持ってきている子もいる。それに体育や音楽時間は使わないから勉強中にバッテリーが切れることはまずない。

電子教材は授業前日までに担任自宅サーバからダウンロードしておくきまりになっている。忘れた子は当日に友達からUSBメモリーなどを介して"借りて"いる。

教室ネットワーク設備は無いが、授業中のネット利用は認められている。

モバイルWi-Fiルーターやスマホテザリングで分からない言葉を調べたりしているようだ。

シャイな子はメール担任質問し、随時メーラーをチェックしている担任はその場で回答するらしい。

担任の話が面白いから、授業中ネットゲームで遊ぶ子供はいないそうだ。

担任は口下手で人気塾講師のような御仁ではない。

しかし話す内容の密度が濃く、ついつい聞き入ってしまう。スクリーンに映し出される教材も目を引く。

聞くところによると、担任は職にあぶれた博士出だという。文科省大学院重点化政策も悪いことばかりではない。

また、計算ドリル漢字の書き取りといった反復学習を授業中にすることはない(宿題には出す)

計算問題の解き方は授業中教えるが、「単純作業を学校でやるのは税金無駄」というのが担任の言である

閲覧するだけの教材はすべて電子データだ。他方、書き込み必要問題集テストはペーパーである

本当はすべて電子化したいらしいが、使い勝手の良いサービスがまだないらしい。

しか子供というもの面白いもので、担任が言わずとも紙の教材をスキャンして電子化している子がいるという。紙のドキュメント管理がいかに煩雑か、子供でも分かるのだ。

ところで私が「電子黒板やタブレットを導入する予定はないのですか?」と担任に伺ったところ、「公共事業をするつもりはありません」との言葉が返ってきた。

公務員としてはギリギリ発言である。いや、アウトかな?

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