広東省珠海=延与光貞 八木拓郎
2015年4月6日09時16分
電話を使った詐欺事件がいっこうになくならない。最近は捜査の網から逃れるため、海外から電話をかける手口も目立つ。中国広東省で捕まった日本人の男たちが現地の裁判で語ったのは、気軽に誘いに乗ったばかりに異国で恐怖にからめとられ、加担させられていく日々だった。
詐欺未遂などの罪に問われた日本人の男5人の裁判が1月、広東省珠海市の中級人民法院(日本の地裁に相当)で結審した。全員が大筋で罪を認めた。
主犯格とされるのは、佐藤剛被告(27)。24~41歳の4人とともに2013年5~6月、日本の高齢者から現金をだまし取るため、珠海市内のマンションから電話をかけたとされる。いわゆる「かけ子」だ。
国をまたぐ電話使用の詐欺の摘発は難しく、実態が公になる例は珍しい。今回は、被告らが仲間割れから日本人男性(当時26)を殴るなどして死なせたことから、詐欺が発覚した。
検察の主張や公判での供述によると、佐藤被告が日本との連絡役で、他の4人を監督。4人は、平日は午前7時半から午後5時まで1人約50~100件の電話をかけ続けた。逆らえば、暴力団員を自称する佐藤被告から暴力をふるわれた。
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