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音楽もイベントも、結局は作る「人」次第なんだ

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世界各地のフェスに出た「渋さ知らズ」に訊く、良いフェスの条件

インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:田中一人(2015/03/26)

『フジロック』がスタートしてから、もう少しで20年。現在では大小さまざまな規模のフェスやイベントが全国各地で開催され、それはもはや「文化」と呼ぶに相応しいレベルで、日本に根付いたと言っていいだろう。そんな中、2005年にスタートした都市型フェス『SYNCHRONICITY』が、今年で10周年を迎える。ライブハウスを舞台にした都市型フェスというのは、大規模な野外フェスなどに比べると、スタートのハードル自体はそこまで高くはないかもしれない。しかし、その分競争は激しく、明確なビジョンを持っていなければ、継続が非常に難しいものでもある。その点、『SYNCHRONICITY』は「CREATION FOR THE FUTURE」をテーマに掲げ、音楽のみならず、さまざまな芸術の要素が混ざった唯一無二の空間作りを目指すことで、多くの人から愛されるフェスへと成長を遂げ、10年という歴史を刻んできた。この事実は、もっともっと評価されてしかるべきことのように思う。

そして、そんな『SYNCHRONICITY』の理念を体現しているバンドといえば、それは「渋さ知らズオーケストラ」以外にはありえない。フェス主催者の麻生潤が「世界で一番好きなバンド」と語る存在であり、2007年から隔回ごとに出演し、大トリを担い続けている渋さ知らズは、まさにフェスの守護神なのだ。そこで今回は、4月11日の『SYNCHRONICITY’15』の開催を前に、麻生と渋さ知らズの中心人物・不破大輔との対談を実施。二人の対話から見えてきたのは、やはりその空間を作る人と人とのつながりの重要性であった。

PROFILE

麻生潤(あそう じゅん)
都市型フェスティバル『SYNCHRONICITY』、クリエイターチーム-kikyu-を主宰。音楽、アート系イベントの企画制作を中心に、各種パーティー制作、ウエディングパーティーのコーディネートを手がける。フェス系ラジオ番組のパーソナリティとして文化放送デジタル&インターネットラジオに出演('07~'09)。音楽はマイライフ!ネアカと呼ばれる程のポジティヴィスト。株式会社アーストーン代表。
SYNCHRONICITY | シンクロニシティ
麻生潤(SYNCHRONICITY) (@junaso) | Twitter


渋さ知らズオーケストラ(しぶさしらずおーけすとら)
1989年9月、不破大輔を中心に第一回目のライヴを行う。フリージャズをベースにした大所帯バンドだが、オーケストラ編成だけでなく、中編成や小編成でも活動する。ステージはミュージシャン、舞踏家、ダンサー、パフォーマー、映像などによって構成され、同時多発的な「イベント」が連続し、観客を熱狂させていくことから、祝祭的なバンドと評される。FUJI ROCK FESTIVAL(日)SUMMER SONIC(日)GLASTONBURYFESTIVALS(英)MOERS FESTIVAL(独)ROCCELLA(伊)NANTES(仏)QUEBEC(加)をはじめとする、国内外の大型フェスティバルで高い評価を受け、数度の長期ヨーロッパツアーを行っている。
渋さ知らズ!ShibusaShirazu Official WebSite | 渋さ知らズの公式サイトです。ライブスケジュールは「地底新聞」をご覧ください。

喜怒哀楽を全部一緒にして、歓喜に昇華するような音楽というか、そういう意味で、渋さは日本のソウルミュージックだと思います。(麻生)

―渋さ知らズオーケストラは2007年の『SYNCHRONICITY』に出て以来、ずっと隔回ごとに出演しているわけですが、麻生さんにとってどんな存在なのでしょう?

麻生:渋さ知らズオーケストラは「THAT'S SYNCHRONICITY」で、個人的にも世界で一番好きなバンドなんです。喜怒哀楽を全部飲み込んで、歓喜に昇華するような音楽というか、そういう意味で、渋さは日本のソウルミュージックだと思う。それって『SYNCHRONICITY』のコンセプトにもぴったりで、だからこそ、毎回トリで出てもらってるんです。

不破:このイベントのトリは結構プレッシャーですよ(笑)。「何で俺たちの前にROVOなんだ?」とか「何で俺たちの前にZAZEN BOYSなんだ?」って(笑)。いつも素晴らしいバンドばっかりなんでね。

左から:不破大輔、麻生潤
左から:不破大輔、麻生潤

―不破さんにとっては『SYNCHRONICITY』はどんな場所だと言えますか?

不破:今の若者たちがメインのお客様で、その中でおっさんおばさんのバンドがやるわけだけど、結局人間と人間のお付き合いなので、今面白いと思うもの、楽しいと思うものをそのままストレートにやると、反応が波紋のように広がっていく感じがしますね。あと僕らバンドマンって、見られるのが商売なんですけど、僕は結構お客様一人ひとりの顔を見ていて、つまんなそうにしてる人がいたら、「よし、あの人を笑わせてやろう」とか思うんです。この小屋(『SYNCHRONICITY』のメイン会場であるTSUTAYA O-EAST)がね、お客様がよく見える会場なんですよ。

―毎回トリを務める上では、どんなことを考えていらっしゃいますか?

不破:そこまでにいろんなすごいアーティストがかわるがわる出てきてるわけで、「さて、この流れを引き受けて、どうしようか?」っていうのをいつも考えてますね。上手くいってるかどうかはわかんないけど、そこがすごく面白い。ホントに稀有な場所だと思いますよ。例えば、『フジロック』の「ORANGE COURT」とか、僕らが出るのは大体ああいう一定のラインナップだったりするんですけど、『SYNCHRONICITY』のラインナップは幅広いから、いつも360度の経験ができるというかね。

―麻生さんにとって、これまでの『SYNCHRONICITY』での渋さのライブの中で、特に印象に残ってる回を挙げるとすると、いつになりますか?

麻生:やっぱり一番最初に出てもらえたときは、ホントに嬉しかったですね。当時は僕自身もっともっと未熟で、クラブイベント的な考え方が強かったから、ディスカウントで結構人を入れちゃって、会場のキャパを超えてパンパンになっちゃったんですよ。でも、ライブカルチャーとクラブカルチャーのクロスオーバーがコンセプトだったし、そういう中で渋さにライブをやっていただいて、「これは幸せだな」って思いました。

麻生潤

―当時は会場が代官山UNITで、ステージ上もパンパンだったでしょうね(笑)。

麻生:そうですね(笑)。あと2013年も印象的で、その年はROVOにも出てもらったんですけど、両方とも大ベテランじゃないですか? そのエネルギーのぶつかり合いって、目に見えるものじゃないですけど、お客さんもそのうねりが何となくわかるんじゃないかっていう、そのぐらいすごかったんですよね。

―不破さんもそのときうねりのようなものを感じてましたか?

不破:もちろん、ROVOの後だもん(笑)。

―ですよね(笑)。前回麻生さんに取材をさせてもらったときに、「『SYNCHRONICITY』は小宇宙だ」って話になったかと思うんですけど、言ってみれば、渋さやROVO自体も小宇宙みたいなもので、それがぶつかり合うって、宇宙戦争みたいな感じですよね(笑)。

麻生:小宇宙が集まってさらに大きな宇宙になる。宇宙に際限はないですからね(笑)。


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