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みなさまこんにちは、あおむろです。桜の花が頬を桃色に染め、ちょっぴり恥ずかしそうに微笑む春の昼下がり。お元気にされていますでしょうか?
さっそくではございますが、約3ヶ月にわたりお話をさせていただいてまいりました私が住んでいた家について、最後のお話。引越しの時のエピソードをお話させていただきますね。(お時間的に余裕のある方は、恐れ入りますが前回までの記事(1、2、3、4)をお読みいただきました上で、本日のお話をお聞きくださいませ) > 個人サイト あおむろひろゆきのページ 連日我が家を襲う怪現象にとうとう私の心は折れ、この家を出ることにしました。引越しを決意したのが夜の23時頃、さっそく引越しの見積もりをとろうと思い、インターネットの一括見積もり登録をしたんです。(5社くらいの引越し業者に同時に見積もり依頼ができる)
すると夜中にも関わらず、インターネットで登録した瞬間ジャンジャン電話が鳴るんですね。 そしてどこの業者か分かりませんが、真夜中にも関わらずバンバン玄関叩くんですわ。怖すぎでしょ。
結局、某大手引越し業者にお願いすることになり、一ヵ月後に家を出ることになりました。 少しずつ引越し準備を進めて、家を出るまであと一週間となった日の夜のお話です。 家に帰ったら玄関の前でオッサンが正座しとるんですわ。
むっちゃ泣いてるんすわ。
とりあえず完全無視して家の中に入ろうとしたら、そのオッサンが普通に家に入ってこようとするのでちょっとした取っ組み合いみたいになりました。 とにかく怖すぎるので一旦事情を聞く事にします。 「実は・・・ かくかくしかじか・・・・ ペラペ〜ラ」 話を聞くと、このオッサンは種岡さんという名前で、私の後に入居することになっているそうなのですが、諸々の手続きを思いっきりミスったらしく、この家の入居開始日前に前の住居を出なければいけなくなったそうです。それで途方にくれて、家の前で私を待っていたそう。 まあ、あと一週間やし、部屋も余ってることやし『ここに住んでいただいて結構ですよ』と申し上げたのですが・・・・。 人の布団で速攻寝たよね。
思わずこう叫んでしまいました。
まあ、こんな感じで正体不明の種岡さんとの奇妙な共同生活が始まったわけですが・・・ チーズインハンバーグ作ってくれてたり・・・
一緒に徹夜でマリオカートしたり・・・・
家の修理をしに来た金ちゃんを不審者と勘違いして思いっきり殴りかかったり・・・
3人で朝が来るまで恋バナしたり・・・
ハッキリ言って、むっちゃ楽しかったです。 そして別れ際は3人でめちゃくちゃ泣きました。
この時種岡さんは「この家のことは俺にまかせといて!」とめちゃくちゃアツい感じで私を送り出してくれたのですが・・・ 家賃滞納により入居後わずか3ヶ月で家を追い出されたそうです。
何はともあれ、約一年間にわたるこの家での生活はこうして終わりを告げました。
ここからは後日談、というか最近の話になるのですが、実は今回この記事を書かせていただくにあたり、数年ぶりにこの家を訪れたんです。もし誰かが住んでいたら、取材を申し込ませていただこうとおもっていたんですね。 ひさしぶりに対面したかつての我が家は以前にも増して弱々しく、今にも崩れ落ちそうなほどボロボロになっていました。
その姿を見た瞬間、なぜか涙が止まらなくなりました。
この時思ったことがあるんです。 「故郷」っていう言葉があるじゃないですか。
あれって一般的には自分の生まれ育った土地のことを言いますよね。
でも、違うんです。それだけじゃないんです。
この家で暮らした一年間、正直言ってたくさん辛い思いもしましたが、その経験が今の自分の心の支えになってる部分があるんですね。
そう、この「家」と、この家で暮らした「思い出」
それも私にとってはかけがえのない「故郷」なんです。
ありがとう・・・
我が愛しき故郷よ・・・ これからもこの故郷はいつまでも、私の心の中に残り続けることでしょう。本当に内容の濃い一年間でした。 みなさま、ここまで私のお話に耳を傾けていただき、まことにありがとうございました。家のお話は、これにておしまいおしまい。
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