国交省幹部が語る「Uberに行政指導を下した本当の理由」
NewsPicks 3月10日(火)17時8分配信
ーーなぜ行政指導を下したのか?
まず、福岡で行っている実験プロジェクトが「道路運送法」に触れるためだ。複数の問題点が見受けられた。まずは報酬の有無の点。実験プロジェクト自体、「無償」と説明されていたが、実質的には有償と考えられる。
Uber側としては顧客の移動や輸送自体への対価ではなく、それに関する「データの取得」に対して対価を支払うと主張しており、顧客からドライバーへの報酬の受け渡しはないとの説明だ。だが、会社からドライバーには報酬が支払われている。会社からであれ、顧客からであれ、実態として何らかの形でドライバーに報酬が支払われる場合にはその運送は「有償」に分類される。
その金額についても、無償の実験というのであれば、本当に無償か、実費としてガソリン代など最小限に留められるべきだ。しかし、実際に支払われた金額については週当たり数万円に上る場合もあるとのことだった。月額にするとこれはもはや「職業ドライバー」の水準と変わりない。“実験”の域を超えていると言わざるを得ない。
ーー要するに「白タク」に分類されるということか。
いわゆる「白タク」に当たる可能性が高いと判断した。また、現在は削除されているが、当初のドライバーの募集広告についてもあたかも自家用車で“稼げる”かのような文言があった。こうしたプロジェクト自体の形態も含め、Uber側の話を聞いたが、我々としては納得のいく説明は得られなかった。
ーーなぜ納得できなかったのか。
国交省としては、2月5日の実験開始時点から、Uber側に「きちんと法令を守っているのか」「どのような実験プロジェクトになっているのか」ということについて再三、説明を求めてきたが、なかなか返答は得られなかった。開始の2日前の夜に初めて説明を受けたが一番最初は「無償」との説明だった。こちらから質問する中でドライバーにデータ取得の対価を払うとの説明があった。口頭の説明だったため実験内容の詳細についての資料を求めたが翌日にも提出がなく、重ねて求めていた。
Uber側から実験プロジェクトについての概要が示された契約書が提出されたのは2月の最終週。実験が始まってから半月以上が経過してからの事だった。加えて、契約書を確認したところ、問題と思える点が多々あった。
最終更新:3月10日(火)18時16分
Yahoo!ニュース関連記事
3.11から4年 苦悩する被災地
- (東日本大震災4年)原発災害の現在地 遠藤雄幸さん、河崎健一郎さん有料
- (東日本大震災4年 復興を問う:中)賠償に差、失う一体感有料
- (東日本大震災4年:1)復興 ふるさと再建、長期戦 42自治体の首長アンケート有料
読み込み中…