兵庫県洲本市(淡路島)の民家2軒で住人の男女5人が刺殺された事件で、死亡した平野毅さん(82)や家族が2月中旬以降、近くに住む自称無職、平野達彦容疑者(40)=殺人容疑で送検=とのトラブルなどについて、県警に計9回にわたって相談や通報していたことが10日、県警への取材で分かった。
県警が9日に平野容疑者宅を家宅捜索し、凶器とみられるナイフを含む複数の刃物を押収していたことも判明。血液が付着していないかなど詳しい鑑定を進める。
県警によると、毅さんの娘が2月中旬、「息子が平野容疑者と顔を合わせた際に口論となり、写真を撮られた」と洲本署の駐在所に相談。署員は同容疑者に会って注意すると提案したが、毅さん側は望まなかったという。
その後も、毅さんの家族からは3月3日までの間に、「(平野容疑者が)実家に帰ってきているので不安になる」「撮られた写真がインターネット上に掲載されているが、人権侵害に当たらないか」などとの相談が寄せられた。県警は自宅周辺の重点パトロールを実施するなどしていたという。
2月21日には毅さん本人から平野容疑者が自宅周辺をうろついているとの通報があり、署員が駆けつけたが、既に立ち去っていたという。
被害者5人はいずれも「平野」姓だったが、容疑者と親族関係にないことも判明した。
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