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 都内のホテルで5日に始まる貴重本即売展「国際稀覯本(きこうぼん)フェア2015」に、鎌倉時代に中国から金沢文庫(横浜市)にもたらされた古書籍が出品される。漢籍の中でも最も珍重される南宋時代の「宋版」で、付いた売値は1億8千万円(税別)。中国での古書籍人気を当て込み、既に問い合わせもあるという。

 売り出されるのは「唐柳先生文集」2冊。唐の文人政治家・柳宗元の文集で、南宋(1127~1279)時代の木版印刷本。江戸時代後期に金沢文庫から持ち出されたと見られる。

 所有者は東京・神田神保町の山本書店。明治時代創業の漢籍専門店で、店主の山本實さんによると、戦後の混乱期に父親が入手したらしい。3年前に初めて公開すると「いくらなら売るのか」との問い合わせがあり、「いつまでも個人で持っているのは不可能。しっかり保管できる所に譲りたい」と考えたという。