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中国の国防費10%前後増 高い伸び率に
3月4日 17時18分

中国の国防費10%前後増 高い伸び率に
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中国のことしの予算案で、国防費は去年と比べて10%前後増え、引き続き高い伸び率となることが分かりました。
これは全人代=全国人民代表大会が5日から始まるのを前に、傅瑩報道官が4日、記者会見して明らかにしたものです。
この中で、記者から中国政府のことしの予算案に計上される国防費について「去年の国防費を上回るのか」と質問されたのに対し、傅報道官は、具体的な金額は5日明らかにするとしたうえで「増加幅は10%前後となる」と述べました。
中国の国防費は、去年の予算案では8082億人民元余りと前の年の執行額に比べ12.2%増えるなど1989年以降、2010年を除いて、毎年2桁の伸び率で増え続けています。
国防費の大幅な増加の理由について、傅報道官は「装備の研究開発は大部分は自国で行い、場合によっては、一から行わなければならない。また多くの将兵の生活保障も絶えず強化する必要がある」と話しています。
そのうえで傅報道官は「中国の国防政策は防御的なものだ。われわれは今後も平和発展の道を歩み続ける」と強調しました。
しかし、中国政府は国防費の内訳を公表しないほか、実際には軍が行う研究開発や宇宙開発にかかる費用などが公表される国防費とは別枠になっているとみられるなど、透明性は不十分だとして国際社会の懸念を引き起こしています。

国防費増大の要因

中国は、国家の発展に見合った強大な軍事力を持つことが、不可欠だとして、毎年、高い水準で国防費を増加させています。
イギリスのシンクタンク、国際戦略研究所は、去年までの2年間にアジア全体で増えた軍事費のうち、中国が、63%余りを占めたと指摘しています。
習近平指導部は、海洋権益やシーレーン=海上交通路の確保に向けて、とりわけ海軍と空軍の増強に力を入れています。
アメリカの国家安全保障局の報告書などによりますと、中国は、最近、太平洋・インド洋に展開できる新型のミサイル駆逐艦を大量に建造し始めたとされるほか、南シナ海で、軍事拠点の建設を一層加速させています。
また、ウクライナから購入して2012年に海軍に配備した中国初の空母「遼寧」は、実戦での運用を目指しているほか、初の国産空母の開発や建設も進められているとみられています。
さらに、弾道ミサイルを搭載できる原子力潜水艦の建造や、レーダーで捉えにくいステルス戦闘機の開発にも力を入れているほか、宇宙やサイバー空間での軍事力の増強を、急ピッチで進めているとされます。

官房長官「引き続き注視」

菅官房長官は、午後の記者会見で「中国の国防費は去年まで前の年に比べてほぼ二桁の伸びを示しており、透明性も不十分であることに政府としては留意している。
まだ、正式に発表されていないが、2015年の国防費を含め、関連の動向は引き続き注視していきたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「中国の国防費うんぬんではなく、日本を巡る地域の安全保障はさまざまな要因から厳しい状況にある。
わが国自身の外交や防衛といった努力を積み重ねることに加え、アジア太平洋地域を重視するなかで、日米同盟の強化にしっかりと取り組み、この地域の平和と安定のために貢献していくことが極めて重要だ」と述べました。

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