ゲーセンでも電子マネー本格普及 脱「百円玉」で業界を再活性化
SankeiBiz 2月14日(土)8時15分配信
使用できる通貨が百円玉に限られ、消費税増税などを受けた柔軟な価格設定ができなかったゲームセンターで、電子マネーの本格普及が始まった。業界大手のタイトーが13日、「nanaco(ナナコ)」など5種類の電子マネーに順次対応する方針を発表した。42年間続いた百円玉で遊ぶスタイルからの転換で、値下げをしたり、ゲーム内の利用者の選択で課金をするなど、新たな遊び方の開発につながる可能性もある。少子高齢化などで業界の売り上げは減少傾向にあるとみられ、業界の再活性化につながるか注目される。
タイトーは全国で約150施設を展開。この中で、5月の「タイトーステーションアリオ蘇我店」(千葉市中央区)を皮切りに、月に4、5店舗ずつ対応を進め、2016年3月期に全国40店に導入する予定だ。百円玉での対応も続ける。直営店から始めるが、将来はフランチャイズ店にも広げる方針。
幕張メッセ(千葉市美浜区)で発表会見を開いた飯沢幸雄社長は、「1973年に業務用ゲームを100円に設定して以来、(百円玉の)ワンコインで運営してきた。今回の電子マネー導入は、ゲーム開発や施設運営のあり方を変える革命になる」と強調した。
「百円玉」問題は業界が抱える大きな問題だ。利用者からみると両替の手間がかかり、途中で百円玉がなくなったのを機にゲームをやめる場合もある。運営側からみても、両替機への供給や集金の作業が負担になっていた。そして、消費税増税や物価上昇にも対応は難しい。1回100円のゲームを値上げしようとすれば、200円にせざるを得ないからだ。電子マネーにすれば、古い型のゲームを安くするなどの価格設定を自由にできる。ショッピングセンター内の施設では、商業店舗のセールや記念日などに合わせて、ゲーム料金を下げることも可能だ。
このため、各社はこれまでも対応を模索してきた。09年に独自の電子マネー「PASELI(パセリ)」を導入したコナミも今月、利用金額に応じたポイント付与を今春から始めると発表した。
06年度をピークに、業界の売り上げは減少傾向にあるもようだ。少子化や家庭用ゲーム機の性能が上がったことが要因とみられる。このため、初心者の取り込みも課題になっており、セガは13年に、業界初の基本無料ゲームの展開を始めた。スマートフォン向けの人気ゲームを移植する動きもあるなど、各社が人気回復に向けて“次の一手”を模索している。(高橋寛次)
最終更新:2月14日(土)10時23分
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