[PR]

 オバマ米大統領は11日、過激派組織「イスラム国」に対する軍事力行使の承認を米議会に求めた。決議案では、攻撃の期間を「3年」と定め、「長期的にわたる攻撃的な地上戦闘部隊は認めない」と一定の制限を設けつつ、一時的な地上部隊投入に含みを残した。議会で多数を握る野党共和党には、軍事介入の強化を求める声もあり、承認をめぐって曲折も予想される。

 オバマ政権はこれまで、「イスラム国」に対し、新たな議会の承認を得ずにイラクやシリアで空爆をしてきた。だが、議会の上下両院で多数を占める共和党が、「イスラム国」への攻撃について議会の承認を得るよう要求。オバマ氏も攻撃の正当性を国内外に示す必要があるとみて、1月の一般教書演説で議会承認を求める考えを示していた。

 大統領が議会に示した決議案は、対「イスラム国」への軍事作戦を「3年」に限定。地上部隊については、すでに空爆支援のため約3千人がイラクに駐留しているが、「長期にわたる攻撃的な地上戦闘部隊は認めない」とした。ただ、捜索・救出のための特殊作戦部隊や、空爆を誘導する統合末端攻撃統制官ら一部の地上部隊派遣には余地を残す内容だ。作戦地域はイラクやシリアに限定しない。