米関係者による、この類いの発言が繰り返されることに、憤りを通り越して、あまりの情けなさにあきれるほかない。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた新基地建設をめぐる警察や海上保安庁の警備行動で、移設に抗議する市民らにけが人が出ていることについて、在沖米海兵隊報道部次長のケイリブ・イームス大尉が「ばかばかしい(laughable)」と発言していたことが分かった。
英字紙ジャパンタイムズが9日付の電子版で報じた。同紙のジョン・ミッチェル記者は、抗議行動でけが人が相次いでいることを1月に報じたが、イームス大尉は記事に反論するメールで「(サッカー選手のように)けがをしたとアピールしているようなもので目の前で見るとばかばかしい」と表現した。
抗議活動が続く辺野古の現場では、海保や警察の過剰な警備行動により、高齢者や女性を含む市民らに多くのけが人が出ていることは紛れもない事実だ。大尉の発言は、米軍に都合の悪い現実を直視しようとしない、暴言かつ妄言だと断じざるを得ない。
大尉は抗議活動について「道路に横たわったり、移動する車につかまって引きずられたりするのは、彼ら自身の選択だ」、平和運動について「米国の従業員を棒で突き、私の6歳と9歳の息子たちに口汚い言葉を叫んで泣かせた」、地元2紙について「偏った報道をし続けると宣言した」とも述べている。
新基地建設に反対する市民は、何も好きこのんで抗議しているわけではない。過重な基地負担に象徴されるように、沖縄だけに忍従を強いる構造的差別に対する抗議でもあり、民主主義とは何か、人間の尊厳とは何かという本質的な問い掛けがあることを理解すべきだ。もちろん平和活動において暴力や暴言が許されるわけではない。大尉が指摘する事柄が事実ならば、詳細に説明し正式に抗議するのが筋だ。「偏った報道」とは、何を根拠にしたのか。
在沖米総領事だったケビン・メア氏が述べた「沖縄はごまかしとゆすりの名人」に代表されるように、米関係者による問題発言が後を絶たない。そこには、根深い占領者意識や人種差別が潜んでいるのではないかと深く憂慮する。米関係者が真に「良き隣人」となることを望むのならば、沖縄の歴史を深く学び、住民の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。
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