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全脳アーキテクチャ開発における,プラットフォーム初期検討(V0)においては,認知アーキテクチャの題材として私が2000年頃に開発を行った学習能力を重視したCITTA (認識に基づく知的処理アーキテクチャ: Cognition based InTelligent Transaction Architecture …
全脳アーキテクチャ開発における,プラットフォーム初期検討(V0)においては,認知アーキテクチャの題材として私が2000年頃に開発を行った学習能力を重視したCITTA (認識に基づく知的処理アーキテクチャ: Cognition based InTelligent Transaction Architecture )というマルチエージェント・アーキテクチャを題材として用いている.
今回,このアーキテクチャの個々のエージェントとして利用されている,認知距離学習器(Cognitive Distance Learning: CDL)モデルについての解説を公開した.
CDLモデルはサブシンボリックな学習型プランナーとしてRWCプロジェクト内で2000年ごろに開発された.CDLモデルは,環境モデルの学習も併用するためモデルベースの強化学習とは近いが,強化学習が状態の評価を学習するのに対して,CDLモデルは状態間の距離を学習することで,それをプランニングや経路探索に利用する点で異なる.
単純なCDLモデルでは,保持すべき距離は状態の数の二乗で増加するためにメモリコストが増大しすぎる問題がある.そこで,階層的な状態空間を自律獲得することでこの問題を回避している.また階層化されたCDLモデルは,状態空間中で荒い表現を持つ上位層から,より詳細な表現をもつ下位の層に実現すべき意図を伝える処理を行う.実は,ここでの意図をある条件下で保持する必要があるのだが,この性質はBDIアーキテクチャとも関連が深い.
そしてCDLモデルの大きな特徴は,ある状態に置かれた際に,与えられたゴールを実現できるかどうかを即座に判断できる点にある. この優れた性質により少ない計算コストで無用な実行を回避できるの(プロダクションルールの条件部と同様)でマルチエージェントのメンバとして利用しやすい.なお,この性質は,強化学習や探索手法では実現できない.
最近は,CDLモデルと海馬体の計算モデルと,ある部分は対応する可能性があると考え考察を進めている.
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■関連する学会発表等
山川宏,岡田浩之,馬場孝之. (2000). “認知距離を用いた問題解決器の提案," Proc. MACC2000 予稿集, 沖縄.
http://www.kecl.ntt.co.jp/csl/ccrg/events/macc2000/yamakawa.html
Hiroshi Yamakawa, Yuji Miyamoto, and Hiroyuki Okada. “ Comparison the learning processes of cognitive distance learning and search based agent. ” 6th International Work-Conference on Artificial and Natural Neural Networks (IWANN2001), pp. 378-385, 2001.
http://link.springer.com/chapter/10.1007/3-540-45720-8_44
山川宏, 宮本祐司, 馬場孝之, 岡田浩之. “認知距離学
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