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ブルーハーツ結成30周年、解散後も影響を与え続ける魅力とは パンクの特性から読み解く

MusicVoice 2月8日(日)11時7分配信

 日本におけるパンクロックの象徴的な存在とも言われているTHE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)が今年2月に結成30周年を迎えた。甲本ヒロト、真島昌利、河口純之助、梶原徹也の4人組バンドとして1985年に結成、87年にメジャーデビュー、95年に解散した。

【写真】1985年…ブルーハーツの伝説はここから始まった

 「リンダリンダ」や「キスしてほしい」「情熱の薔薇」など、約10年間の活動で多くの名曲を残し、日本にパンクロックを定着させた。そして、様々なスタイルを継承する現代Jロックの原型を作ったとも言われその功績は大きい。

 解散後もドラマやCM、映画などに使用され続け、今月4日に発売された30周年記念盤『ALL TIME MEMORIALS 〜SUPER SELECTED SONGS〜』は、オリコンデイリチャート初日から4日連続でトップ3入りを果たしている。

 解散から20年経った今も親しまれている彼らの魅力とはなにか。ストレートな言葉と衝動を揺さぶるサウンド、そしてパンクロックの意外な特長でもある口ずさめるフレーズ。

 パンクロックというジャンルの特性を読み解きながら彼らの魅力に迫ってみたい。

ブルーハーツの影響力

 最もストレートでかっこいいバンドとして「ブルーハーツ」の名前を挙げる人はどれだけいるだろうか。パンクロックとともに世間に衝動を撒き散らしたブルーハーツは、純粋であまりにもストレートなメッセージを、全開のロックンロールでなりふり構わず表現した。打算や回りくどさの対極にある彼らの愛した「パンク」とは一体どの様な音楽なのだろうか。

 強い眼光に、つなぎや皮ジャン、Tシャツ姿で思いのまま暴れまわり、はしゃぐ様に全力で音とメッセージを叩き付ける。「心のずっと奥の方」と歌う情熱そのままに、聴く人の感情を掻き立ち、煽る。ギター、ベース、ドラムというあまりにもシンプルに構成されたパンクロックサウンドは、まるで何かと闘っているようにも見える。シンプルに「カッコいい」という感情とエネルギーが湧き上がってくる。

 ブルーハーツが社会におよぼした影響は計り知れない。セールス面もさることながら、解散後もドラマ主題歌に度々起用され、楽曲「リンダリンダ」をもとにした映画も作られた。また、漫画「ろくでなしBLUES」ではメンバー全員をモデルにしたキャラクターが登場するなど、様々な分野まで広がっている。他方、ブルーハーツをきっかけに音楽を始めたというミュージシャンも少なくない。

 「リンダリンダ」や「TRAIN TRAIN」「情熱の薔薇」など、誰もが聞いたことがあるだろうヒット曲は現在もなお親しまれている。聞いた事が無くても一度聞けば口ずさめる、そのようなストレート且つ受け入れやすさがブルーハーツの音楽にはある。社会に真っ向から立ち向かっているブルーハーツが発する音楽のメッセージ性からは同時に何かを守ってくれている様なやさしさも感じられる。

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最終更新:2月8日(日)11時7分

MusicVoice

 

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