
琴平駅に入線するサンライズ瀬戸(資料)
昨年9〜11月、琴平まで延長運転したJRの寝台特急「サンライズ瀬戸」の利用者数が、前年同期と比べて約2割増えたことが分かった。延長運転は、瀬戸内海国立公園指定80周年などに合わせ、香川県とJR四国が昨夏に結んだパートナーシップ協定に基づく企画。香川県観光振興課は「琴平のPRに成果があった。今後も誘客が見込める時季に延長運転を実施してもらうよう、JR四国などに働きかけたい」としている。
延長運転は金、土、休日前の東京発に限定し、終着駅の高松到着後、予讃線〜土讃線経由で琴平まで、台風の影響による運休などを除いて24回実施した。
期間中、東京方面から県内停車駅までの発売数を前年同期と比べると、9月27・9%増、10月6・9%増、11月28・4%増といずれも上回った。4月〜8月は6月を除き前年度を下回っており、延長運転が利用者増につながったことがうかがえる。JR四国によると、延長運転中はほぼ満席状態で、計約700人が琴平までの利用客だった。
また、香川県の調査による琴平への入り込み観光客数の前年同月比でも、9月は32・2%増、10月10・1%増、11月10・8%増だった。
延長運転に合わせて、金刀比羅宮では奥書院を一般公開する「秋の特別展」を実施した。町観光協会長の小野正人町長は「寝台特急で朝一番に到着すれば、ゆっくりと観光地を巡ることができる。何より、東京駅で『琴平行き』とアナウンスされ、首都圏と鉄道で直結したことは誘客にプラスだった」と評価する。
香川県や琴平町からの継続要望を受けて、JR四国は「今後も夏休みなど観光シーズンに延長運転を実施できるよう、JR各社と調整したい」としている。
サンライズ瀬戸は、ほぼ全室が個室で、木目調の明るい内装と相まって女性や高齢者にも人気がある。