こんにちは、西友の富永です。
このコラムではたびたびSNSとマーケティングの関係について触れ、その代表的なものとしてFacebookとTwitterを取り上げてきました。しかし、みなさんがご存じのように、いま日本で最も大きな存在感があるのは「LINE」です。
このサービスは現在国内で5000万人を超えるユーザーが利用しており、それぞれ2000万人強とされているfacebookやtwitterをはるかに凌駕(りょうが)しています。そこで今回はLINEというサービスを企業のマーケティングプラットフォームとして捉え、その可能性について考えてみたいと思います。
LINEユーザーにとって「スタンプ」が重要な理由は?
まず企業がLINEを通じて消費者とコンタクトするには、
(1)スタンプを出品し、ユーザーにダウンロードしてもらう
(2)スタンプをダウンロードしたユーザーと友達になり、メッセージを発信する
(3)公式アカウント一覧経由でユーザーと友達になり、メッセージを発信する
といったルートがあります。これらについて、マーケティング的な意義や可能性を考えてみましょう。
(1) スタンプを出品し、ユーザーにダウンロードしてもらう
企業が発行するスタンプは広告的な位置づけの無料スタンプと商品として販売されている有料スタンプがあるわけですが、今回は無料・有料を問わずスタンプに期待できることについて論じたいと思います。
LINEユーザーにとって自分のスタンプコレクションは重要です。スタンプはユーザーがその友だちとLINEを使ってコミュニケーションする際に、その時の文脈や意味を感情とともに表現するためのツールだからです。どんなスタンプを使うかは、どんな言葉を使ってコミュニケーションするか以上に、自分のセンスや自分らしさを伝えることになるのです。
スタンプを使うときは普段の自分のキャラクターを強調したり、あるいはあえてそれをずらして意外性を打ち出したりといった意図があるはず。そこで、意図に合わないスタンプを使ってしまうと、発言のトーンや文脈がもともと表現したかったそれと乖離(かいり)してしまいます。
そうしたことを起こさないように、“彼”は彼らしいスタンプを筆頭に、さまざまなバリエーションのスタンプを普段から集める必要があり、結果的にスタンプコレクションは彼が選んだ、彼らしいあるいは彼が演出したい意外性に合った、つまり彼の意図に添ったスタンプがラインアップされることになります。そして、ラインアップされた一つひとつのスタンプは“彼”の一部となっていくのです。