大野晴香
2015年2月9日11時40分
シリア渡航を計画していたが、安全確保を理由に外務省から旅券の返納を命じられたフリーカメラマン杉本祐一さん(58)=新潟市中央区=が、朝日新聞の取材に応じた。返納に至る詳しい経緯を明らかにした。
杉本さんは元々会社員でカメラが趣味だった。1994年、友人に誘われ、内戦中のクロアチアで難民キャンプを取材した。その後、フリーカメラマンとなり、パレスチナやイラクなどを取材してきた。
今月末、トルコ経由でシリア入りする予定だった。クルド人自治組織がシリア北部の街コバニを過激派組織「イスラム国」から奪還したと知り、取材しようと決めたからだ。今月3日、旅行会社に航空券の前払い金として6万円を払った。
5日、外務省海外邦人安全課から、杉本さんのPHSに連絡が入った。「シリアへ行くかもしれないという新聞記事を読んだ。外務省としては行ってほしくない。渡航を中止してほしい」との内容だった。杉本さんは「以前から計画していた。行かせてほしい」と訴えた。旅券の返納は一切触れられなかったという。
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