賢治の童話、日本語と英語で　北海道・函館の出版社、朗読付き電子書籍発売

（02/09 06:30、02/09 07:34 更新）

賢治作品の英訳付き電子書籍を作った新函館ライブラリの大西社長（右）、佐藤国男さん（中央）、ハウレットさん

　【函館】函館市内の出版社、新函館ライブラリ（大西剛社長）が、宮沢賢治の童話作品の英訳付き電子書籍を発売した。賢治の世界を題材にした木版画で知られる函館在住の版画家、佐藤国男さん（６２）が挿絵を手掛けた。パソコンやスマートフォンなどで書籍データを購入すると、日英の文章や朗読で賢治の世界が楽しめる。

　発売は「セロ弾きのゴーシュ」「雪渡り」「十力の金剛石」「かしわばやしの夜」の４作品で、各８００円。同社ホームページhttp://www.nhakodate.comなどから電子書店「コンテン堂」にアクセスし、ダウンロードする。

　電子書籍には、朗読や、物語に合わせた音楽が入っている。日本語版朗読は佐藤さんの絵本の朗読活動をしている同市内の鳥本八重子さんら３人が、英語版は函館ラ・サール高英語教師でカナダ人のピーター・ハウレットさん（５９）が、それぞれ担当。音楽は同市内のオルガン奏者石崎理さんの演奏を収録した。英訳はニューヨーク在住の作家松居スーザンさんが担当した。

　大西社長は「学校などでの語学教材にも活用してほしい。書店減少などで出版をめぐる状況は厳しいが、世界に向けて発信できる電子書籍は、地方出版社の突破口となり得る」と話す。問い合わせは、新函館ライブラリ（電）０１３８・８４・１６２０へ。＜どうしん電子版に全文掲載＞

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