米国務長官 連携して「イスラム国」壊滅を1月24日 11時00分
アメリカのケリー国務長官は、イスラム過激派組織「イスラム国」について、「中東全域の平和と安定を脅かしている」と述べ、国際社会が連携を強め、組織を壊滅に追い込む必要があるという考えを重ねて示しました。
これは、ケリー国務長官が23日スイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会、「ダボス会議」で行った講演で述べたものです。
この中でケリー長官は、イスラム過激派組織による暴力が世界各地に広がり続けているという認識を示したうえで、国際社会はその脅威にひるんではいけないと強調しました。
そして、「まず取り組まなければならないのは『イスラム国』の打倒だ。理由は、彼らが多くの武器と潤沢な資金を持ち、中東全域の平和と安定を直接、脅かしているからだ」と述べ、国際社会が連携を強め、イスラム過激派組織を壊滅に追い込む必要があるという考えを示しました。
そのうえで、アメリカ軍などによる「イスラム国」へのこれまでの空爆の結果、「イラクでは過激派組織の勢いをそぎ、シリアでは部隊の移動は困難になっている」と述べ、軍事作戦の成果を強調するとともに、「イスラム国」と戦う現地の地上部隊の訓練を本格化させる方針を示しました。
「イスラム国」実効支配地域がイラクで縮小
アメリカ国防総省のカービー報道官は23日、日本人2人を拘束したとしているイスラム過激派組織「イスラム国」について、アメリカ軍の空爆とクルド人部隊による地上からの攻撃により、イラクでは実効支配している地域を減らしているという見方を示しました。
カービー報道官によりますと、「イスラム国」から奪い返したのは主にイラク北部のおよそ700平方キロメートルで、この結果、実効支配が続いているのはイラクの人口集中地域の3割程度だと分析しています。
一方、シリアでは地上部隊がいないため、アメリカ軍はシリアの穏健派の反政府勢力への訓練を開始して、「イスラム国」と地上で戦う5000人規模の部隊を育成する方針です。
この計画についてカービー報道官は、順調に進めば年末までに訓練が終わり、実戦に参加できるという見通しを示しました。