原子力規制委員会は20日研究用の原子炉を持つ近畿大学と京都大学で現地調査を行いました。
両大学の原子炉とも運転再開のメドが立っておらず人材育成への影響が懸念されています。
「調査メンバーが近畿大学の原子炉の現地調査へと向っていきます」 (助谷記者リポート)
20日午前原子力規制委員会の調査メンバーが近畿大学原子力研究所を訪れ原子炉や制御室などを視察しました。
現在、日本ではすべての原子力発電所が運転を停止しています。
運転再開には新規制基準による安全審査で合格することが必要で審査は研究用の原子炉も対象となっています。
近畿大学の原子炉は55年前、研究用としては国内で初めて設置されたもので出力はわずか1ワットと”豆電球”並み。
電力会社の原発よりはるかに小さなものですが大型の原発同様、耐震性の強化や非常時の電源確保などの対策が求められていて運転再開のメドは立っていません。
「原子炉の実物を動かすことを経験するのは非常に大切な教育。早く原子炉を運転して実学で学んでいただきたい」(伊藤哲夫所長)
午後に視察が行われた京都大学は2基の原子炉を持っていて大学が持つ研究用の原子炉は全国でこの3基のみ。
京大の実験所には年間約1000人の研究者が全国から訪れ原子力だけでなくがん治療の研究などにも使用されてきましたがこちらも再開のメドは立っていません。
「昨年の5月末から運転が停止している状況。我々もそうですけど、利用者にとって困った状態」(中島健教授)
「研究は重要だと思いますが、審査は厳正にやっていきたい」 (田中知原子力規制委員)
運転停止が長引けば研究者や技術者の育成に支障をきたす恐れもあり両大学は一日でも早く運転を再開したいとしています。 (01/20 19:11)
|