Yukihy Life

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子どもに「相対性理論って何?」と聞かれたときのために概要を分かりやすく解説してみた

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この記事の目的はタイトルの通り、子どもに「相対性理論って何?」と聞かれたときに説明できるために、かなりアバウトに相対性理論を解説したものです

同時に、相対性理論を「まずは概略的にでも理解したい」という方にも有用な内容になっていると思います。

より理解を深めたい方は、こちらの記事にお進み下さい。

文系&中学生が解ける範囲でアインシュタインの相対性理論を分かりやすく解説する - Yukihy Life

 こちらの記事は中学で習う数学のみを使って、相対性理論というものを解説しています。使うのは中学の数学のみですが、扱っている現象は難しいですので、まずはこの記事でイメージを作っていただけれるとスムーズに進めると思います。

 

0 目次

1 相対性理論とは?

2 どんな現象が起きるの?

3 相対性理論の実例

4 相対論を学ぶときに気を付けてほしいこと

5 おすすめ本

とにかく現象が分かれば良い!という方は2どんな現象が起きるの?のみを見ていただければ良いです。

 

 

1 相対性理論とは?

相対性理論とは、アインシュタインが1905年から作り上げた物理の理論で、相対論と略されます。その内容は「ものが縮む」「空間が曲がる」など、非常に難解なものになっています。また、アインシュタインの式と言われるE=mc^{2}という式を見たことがある人もいるのではないかと思いますが、これも相対性理論の一つを表しているものです。

相対性理論は大きく二つに分かれます。「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」というものです。特殊相対性理論の方が難しそうですが、実際は一般相対性理論のが何倍も難しいです。

今回は特殊相対論・一般相対論のエッセンスのみをお届けします。

 

 

2 どんな現象が起きるの?

最初に相対性理論とはどのような現象を指すのかを書いてしまおうと思います。

[相対性理論の現象]

結果1 光の速度よりも速く動けるものはない

結果2 光の速度に近い速さで動くものは、縮んで見える

結果3 光の速度に近い速さで動くものは、時間が遅く流れる

結果4 重いもの*1の周りでは、時間は遅く流れる

結果5 重いものの周りでは、空間が歪む

結果6 重さとエネルギーは同じ

というものです。一つ一つ簡単に説明を加えます。

 

[結果1 光の速度よりも速く動けるものはない*2]

文書そのままで、光の速度よりも速く動けるものはないということです。光というのは1秒で地球7周半ほど進める速さです*3。これはものすごい速さですが、有限ではあります。

つまり将来、いくらテクノロジーが発達してものすごい速さの新幹線やロケットができたとしても、それは光の速さを超えられないのです。

発展 なぜ光の速さを超えられないのかの説明☆

相対性理論によると、スピードがあるものは、若干重くなります。つまりあなたが止まっているときと、走っているときでは走っているときの方が体が重くなるのです*4

体が重くなると走り辛くなるでしょう。つまりスピードが出し辛くなります。

それでも頑張ってもっとスピードを出したとしましょう。するともっと体は重くなります。もしも光の速度で走ると、あなたの重さは無限になります。そして体が重すぎてこれ以上[つまり光の速さ以上]スピードを出すことができなくなるのです。

 

[結果2 光の速度に近い速さで動くものは、縮んで見える]

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この図で、左側ではロケットは止まっています。右側ではロケットが光の速度に近いスピードで飛んでいます[結果1]で説明したように、光の速さより速く飛ぶことはできません。

すると右のロケットは止まっているときよりも縮んで見えます。このロケットは横に動いているので、縮むのは横方向のみです。縦方向には縮んでいるように見えません。*5

結果には“光の速度に近い速さで動くものは”と書きましたが、実際には光の速度に近くなくてもかまいません。そのへんを走る車も、歩く人も、実は縮んでいるのです。ただ、縮む量があまりにも小さすぎて、僕たちの目には識別できないのです

目に見えるぐらい縮んで見えるには、光の速度に近い速さで動く必要があります。

発展 逆にロケットから地球を見ると…☆

地球からロケットを見るとロケットは縮んで見えるので、ロケットから地球を見たら地球は伸びて見えるのでしょうか?

答えは[ロケットから見ても、地球は縮んで見える]が正解です。この理由の説明は非常に難しいですが、限りなく簡単に言うのならば、“地球から見ると動いているのはロケットだが、ロケットから見ると動いているのは地球だから”ということになります。

「周りから見ると動いているのは電車だけど、電車の中から見ると動いているのは周りの景色」というのと似ています。

 

[結果3 光の速度に近い速さで動くものは、時間が遅く流れる]

f:id:ftmaccho:20150119034214p:plain

図の左側では、ロケットが止まっています。このときロケットの時間と地上の時間は同じですが、右の図を見ると、ロケットの時間の方が遅れています。こういったことが起こるのです。

結果には“光の速度に近い速さで動くものは”と書きましたが、実際は光の速度でなくともかまいません。結果2と同じですが、そのへんを走る車も、歩く人も、飛ぶ飛行機も、実は時間は遅く流れているのです。ただ、遅くなる時間の量があまりにも小さすぎて、僕たちの間隔では捉えることができないのです

頭で分かるぐらい遅れるには、光の速度に近い速さで動く必要があります。

 

[結果4 重いものの周りでは、時間は遅く流れる]

重いものの周りでは、時間が遅く流れます*6

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繰り返しになりますが、僕たちがこの効果を感じるのは宇宙の巨大な星やブラックホールなど“めちゃくちゃ重いものの周り”に限られます。上の図は誇張してますので。

またこの文章を裏返すと「重いものから離れると、時間は早く流れる」となります。僕たちは地球という重い星の上にいますので、「海の底」と「エベレストの頂上」では、地球から離れている「エベレストの頂上」の方がちょっぴり時間が早く進んでいることになります。

 

結果5 重いものの周りでは、空間が歪む

これも大変難しいことです。どのように歪んでいるのかは分かりませんが、とにかく歪んでいるのだそうです。

天体級に重いものになると、空間を極端に曲げ、そこを通る光さえも曲げてしまうのです。

 

結果6 重さとエネルギーは同じ

今までエネルギーとは、力がかかっていたり*7、熱をもっていたり、電気が流れていたり、ものが動いていたりしないとないものだと考えられていました。

しかし相対性理論を解いていくと、止まっているものにもエネルギーがあることが分かりました

そしてそのエネルギーは重さに比例するのです。それを表した式が有名なアインシュタインの式

E=mc^{2}

です。ここでEはエネルギー、mが重さ*8cは光の速度を表します。

光の速度は決まっていて定数なので、Emが比例していることが分かります。つまり重いものはそれだけでエネルギーが大きく、軽いものはエネルギーが小さいということになります

 

 

3 相対性理論の実例

実際に使われている相対論の実例として、GPSを紹介します。上で説明した通り、相対論はかなりスケールの大きい話にならないと見えてきません。自然と実例もビッグなスケールのものになります。

[GPS相対性理論]

僕たちが使っているカーナビなどに、GPSが使われています。これのおかげで僕たちは道に迷わずにすむわけですが、正確な情報を得られるのはGPS衛星の中の時計が正確に動いているおかげです。

GPS衛星ですが、地球の周りをものすごいスピードで毎日グルグルとまわっています。ものすごいスピードでまわるので、[結果3 光の速度に近い速さで動くものは、時間が遅く流れる]から、GPS内の時計は遅れてしまいます。

一方、GPS衛星というのは地表から2万メートル以上の高度にあります。すると今度は[結果4 重いものの周りでは、時間は遅く流れる]を言い換えた「重いものから離れると、時間は早く流れる」が関係してきます。この効果により、GPS内の時計は進んでしまいます。

まとめると[結果3]から時計は遅れ、[結果4]から時計は進みます。実際に計算をすると[結果4]の方が影響が大きいため、全体として時計は進んでしまうのです。

GPS計算はこれによる補正を自動で行うため、僕たちは正しい位置情報を得ることができます。この補正がなければ1日に10km以上のずれが生じてしまい、使い物にならないのです

 

 

4 相対論を学ぶときに気を付けてほしいこと

相対論は、その奇抜で現実離れした内容から、しばしばエセ科学者のターゲットとなります。こういった科学者はとにかく嘘ばっかり主張をして、矛盾を指摘されても微動だにしない精神力を持ち合わせています。

残念なことに、ネットで相対論と調べると約7割ぐらいの記事が嘘の記事です。エセ科学者たちは日々自分の主張を繰り出すために自分のサイトを淡々と作り上げていっています。そこで相対論をネットで学ぼうとする方のためにエセ科学者の傾向を書いておきます。

 

[分かりやすさ0]

エセ科学者たちは矛盾を指摘し辛くするために、なるべく分かり辛くサイトを作ります。本物の学者に読まれ辛くするためにやたら文章で長々と話したり、背景に濃い色を使ったりします。そして相対論は間違っています!!と自分の主張の部分のみ目立つようにしている傾向があります。

[具体的な数字にも、嘘は当たり前]

「~人に賛同された理論だが」「~割の人はこう思うそう」など、具体的な数字使ってるし信頼できそう!と思ってしまうが、エセ科学者たちはこういったところも根拠なく作り上げてしまいます。

[本の引用は捻じ曲げまくっている]

本の引用から、自分の主張を補強する人も多いが、実際にその本を読んでみると、それは著者の意図のように引用されていないことが分かります。こういった部分を含んでいる文には疑問を持った方が良い。

[ヤフー知恵袋は8割嘘で自演]

もちろん良質な部分もあるが、知恵袋での相対論の記事は実は荒れやすいです。そしてほとんどが間違っているので、相対論に関してはヤフー知恵袋は信用しない方が良いと思った方が良いです。また自分で質問をして別アカから答える自演もよくあります。

[否定するのは9割特殊相対論]

一般相対論はそもそも難しすぎますので、理解が浅いエセ科学者は基本的に特殊相対論を否定しています。

 

実際には99:1でも、ネット上では50:50になっているのは良くありますので、本で勉強するのが実際は良いです。最後におすすめの本のリンクを貼っておきます。

 

5 おすすめ本 

相対性理論 (岩波文庫)

相対性理論 (岩波文庫)

 
図解 相対性理論と量子論―物理の2大理論が1冊でわかる本

図解 相対性理論と量子論―物理の2大理論が1冊でわかる本

 
マンガでわかる相対性理論 (サイエンス・アイ新書)

マンガでわかる相対性理論 (サイエンス・アイ新書)

 
高校数学でわかる相対性理論 (ブルーバックス)

高校数学でわかる相対性理論 (ブルーバックス)

 

 

この記事よりも深く知りたいという方はこちらをどうぞ

*1:本来は「質量が大きいもの」結果5・結果6も同様

*2:この内容をググると、「ニュートリノが光速と超えた!」という記事が良く出てきますが、デマですので一応。

*3:約30万km/秒

*4:これは極論です。実際に増える分というのはあまりにも小さすぎて変化は体重計なんかでは見えません

*5:ここで「縮んでいるように見えます」と書いてありますが、これは錯視によってそうなっているのではありません。実際に縮んでいるのです。しかしロケットの中から見ると、ロケットの中は通常通りに見えます

*6:これは[結果5]と連動する内容で、実際は「重いものの周りでは空間が歪み、時間が遅く流れる」という論理です

*7:[発展]保存力を意味しています

*8:本来は質量