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【ビジネス解読】
環境汚染大国・中国「EV普及策」に人民そっぽ トヨタ「HV」排除がアダの“自業自得”
中国政府の電気自動車(EV)などの新エネルギー車に対する普及策に、国民が“ダメ出し”をしている。EVを次世代車の最有力候補とみて、国際競争で優位に立とうと威信を懸けて取り組んできたが、2014年の販売台数は約6万台程度にとどまりそう。新車全体の販売台数の1%にも届かない。中国があえて新エネルギー車の定義から排除したハイブリッド車(HV)は、トヨタ自動車などの活躍で世界的に普及しており、中国政府のメンツは丸つぶれの格好になっている。
EVには手厚い優遇策
米国を抜いて世界一となった中国市場で、欧米や日本メーカーが昨年9月、EVを相次いで投入した。独ダイムラーは、中国の大手メーカー、BYDと共同開発したEV「DENZA(デンツァ)」を発売。独BMWは主力EV「i3」の現地販売を開始したほか、日産自動車と東風汽車の合弁会社もEV「ヴェヌーシアe30」を売り出した。日産・東風連合は、18年にEV市場のシェア20%を目指している。
海外メーカーによるEV販売が相次いでいるのは、中国政府の手厚い普及施策に期待しているからだ。
中国政府は、自動車利用の急増による大気汚染の深刻化や、将来のエネルギー需給の逼迫(ひっぱく)が懸念されていることから、省エネ車を普及する政策を強力に推進してきた。09年からは、地方自治体と連携して電動バスや電動タクシーなど公共交通機関でのEV化を促進する「十城千両」政策を開始。