2015年はシステム論が大きく変わる!バイエルンが先導する“可変型”の波。
Number Web 1月1日(木)16時31分配信
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グアルディオラが率いる今季のバイエルンは、3バックを基本にしつつも4-3-3や3-5-2など様々なシステムを採用。しかも、戦況に応じてゲーム中にも変更するため、相手チームは対応しきれない。 photograph by Getty Images |
「ペップの下、戦術的な構造があるサッカーを
プレーできて嬉しい」
トーマス・ミュラー (バイエルン・ミュンヘン)
2015年のサッカー界におけるキーワードは何か? もしそう訊かれたら、こう答えようと思っている。
「試合中のシステムチェンジが、戦術のトレンドになる」
すでに昨年11月、本コラムにおいて「ブラジルW杯において、試合中のシステム変更がトレンドになっていた」と書いたことを覚えている人がいるかもしれない。
ドイツサッカー協会が発行する指導者向けの雑誌『fussball training』がブラジルW杯を分析し、オランダ代表がメキシコ戦において3-5-2、4-2-3-1、2-3-3-2と目まぐるしくシステムを変えて逆転勝利したことに注目。またドイツ代表は決勝戦の途中に4-3-3から4-2-3-1に変更して、アルゼンチンとの接戦をものにした。
そして今、この「システム変更」をさらに研ぎすませたクラブが出現した。ジョゼップ・グアルディオラ監督が率いるバイエルン・ミュンヘンだ。
今季の開幕前、突然ペップは3バックを導入した。ボランチでもプレーできるアラバがDFラインに入る攻撃的なシステムで、スポーツビルト誌は「ペップはミーティングで『今季は3バックで行く』と宣言した」と驚きをもって報じていた。
いざ開幕すると、それがただの3バックではないことが次第にわかってきた。キックオフ時は3バックでスタートしたように見えても、いつの間にか4バックにスイッチ。その逆のケースもある。あまりにも目まぐるしく変わるため、知人のTV局のディレクターは「バイエルンのシステムを紙に書くのをやめた」と冗談交じりに言っていた。
当然、ドイツ人記者たちも混乱している。スポーツビルト誌は「ペップの暗号」と名付けて、ローマに7-1で完勝した「3-4-3」、ブレーメンに6-0で勝利した「4-3-3」、パーダーボルンに4-0で勝利した「4-2-3-1」を誌面上に並べた。他にも「3-5-2」や「4-1-4-1」もあり、とても同じチームとは思えないバリエーションだ。
いったいどんなロジックで選手たちは動いているのか? 仮に
【GK】ノイアー
【DF】ダンテ、ボアテンク、ベナティア
【アンカー】シャビ・アロンソ
【左MF】ベルナト 【中央MF】ゲッツェ、ラーム 【右MF】ロッベン
【FW】リベリー、レバンドフスキ
という「3-5-2」のシステムだったとしよう。
昨年9月、ダンテは『tz』紙のインタビューで「ときに3バック、ときに4バック。いったいどうなっているの?」と訊かれると、こう口を開いた。
「ちょっとだけ教えよう。まず相手が何をするかにかかっている。もし片方のサイドを相手が攻めてきたら、3バックの1人が中盤をサポートするためにサイドに移動する。それに応じて残り2人のDFはスライドし、同時に中盤の選手のひとりが逆サイドのサイドバックの位置をケアする。つまり4バックになるということだ。僕たちはDFラインを下げず、常に高い位置で守りたい。そのうえで大事なのは、守備者同士の間に穴を作らないことだ」
最終更新:1月1日(木)16時31分
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