Updated: Tokyo  2014/12/29 10:59  |  New York  2014/12/28 20:59  |  London  2014/12/29 01:59
 

ソニー:ハッカー攻撃でも株価好調、年間リターンはアップル並み

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  (ブルームバーグ):ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)のコメディー映画で北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を題材にした「ザ・インタビュー」ほど奇想天外ではないが、今期に巨額損失を見込むソニー の株価パフォーマンスには目を見張るものがある。

ブルームバーグ・データによると、12月28日時点で、過去1年間のソニー株のトータルリターン (配当再投資)は44%で、スマートフォン事業で競合する米アップル並みだ。同期間のTOPIXは約10%のリターンだった。

ソニーは2015年3月期の最終赤字を2300億円と見込んでいる。そうした厳しい状況の中で11月末にSPEがハッカー攻撃を受けた。サイバーセキュリティー会社SSPブルーの推計によると損害額は新しいソフトウエアやハードウエア、調査費用などを含めて少なくとも1億ドル(約120億円)とされる。それにもかかわらず、株式市場でソニー株は盛り上がりを見せている。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「スキャンダルとしては大変な出来事だが、損益の観点からすれば大きな影響はない」と話す。安田アナリストはソニー株を「アウトパフォーム」と評価している。

ブルームバーグが集計 しているソニー担当の証券アナリスト23人のうち、65%が買い推奨している。17人の12カ月後の目標株価平均は2804円と、現在の株価より約10%高い。

安田アナリストはハッカー攻撃があっても、「トータルで見ると業績は回復に向かっている」と話す。「プレイステーション(PS)4」の売り上げが好調なゲーム事業やイメージングセンサー事業などが収益をけん引するとみている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 黄恂恂 xhuang66@bloomberg.net;ニューヨーク Brian Bremner bbremner@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net 中川寛之, 宮沢祐介

更新日時: 2014/12/29 06:00 JST

 
 
 
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