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「日経ビジネス」12月15日号では、「環太平洋 30億人経済圏を攻略せよ〜2015年メガFTA始動」と題する特集で、急成長する環太平洋経済圏の最前線をレポートした。続々と太平洋を横断するヒト・モノ・カネ。とりわけ活発なのはチャイナマネーの動きだ。ニューヨークでは中国人による高級マンション購入が目立つ。どんな人が買っているのか。

数多く世界の重要人物が宿泊したニューヨークの名門ホテル、ウォルドルフ・アストリア。今年10月、中国の保険会社が買収した。

 ウォルドルフ・アストリアというホテルをご存知だろうか。

 ニューヨークのマンハッタンで1893年に開業した超高級ホテルだ。米国の歴代大統領や各国のVIPがニューヨークを訪れる際に宿泊することで有名なホテルである。ダグラス・マッカーサー元帥やマリリン・モンローはこのビルに居住していた。

 今年10月、ニューヨークを代表するこのホテルは売却された。その価格は19.5億ドル(約2300億円)。購入したのは中国の保険会社だった。

中国人による米住宅購入は年間2兆6000億円

 チャイナマネーによる米国不動産の購入を象徴する出来事だったが、個人でもここ数年、中国の富裕層による高級不動産の購入が増加している。

 全米リアルター協会の調査によると、ここ数年、外国人による米国の住宅購入に最もお金を出しているのは中国だ。2013年(2012年4月〜2013年3月)に128億ドル(約1兆5000億円)だった中国人による購入総額は、翌年2014年(2013年4月〜2014年3月)にはさらに100億ドル(約1兆1000億円)も増加して、220億ドル(約2兆6000億円)となっている。

米国の住宅購入国別ランキング
出所:National Association of Realtors

 中国の富裕層がマンハッタンやロサンゼルスといった米大都市の高級不動産を買い漁るという動きが活発化しているが、どのような人が買っているのであろうか。ニューヨークで中国人の顧客を多数もつ不動産会社に話を聞いてみた。


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