エコカー先進地域ともいえる米カリフォルニア州で地殻変動が起きている。カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)は10月17日、今年9月末まで1年間における自動車各社の排ガスゼロの車種(ZEV)規制への対応について公表した。今年は前年までと顔ぶれが大きく変わり、規制に伴う排出枠の売り手では首位の交代が起きた。
カリフォルニア州は自動車メーカーに、販売台数の一定割合を電気自動車(EV)などZEVとするよう義務付ける規制を導入している。基準未達のメーカーは罰金を払うか、超過で達成するメーカーから「ZEV排出枠(クレジット)」を購入しなければならない。
前年(2013年9月末までの1年間) | |||
---|---|---|---|
販 売 | 米テスラ・ モーターズ | トヨタ 自動車 | スズキ |
1,311 | 507 | 41 | |
購 入 | 米ゼネラル・ モーターズ | 米クライスラー | ホンダ |
876 | 551 | 323 |
本年(2014年9月末までの1年間) | |||
---|---|---|---|
販 売 | 日産自動車 | テスラ・ モーターズ | 伊フィアット |
663 | 650 | 235 | |
購 入 | 独メルセデス ・ベンツ | ホンダ | クライスラー |
663 | 542 | 237 |
その時々の需給環境や相場にもよるが、基本的にはエコカーの販売が好調な企業がクレジットの売り手に回り、EVなどをもたない企業が買い手のリストに掲載される。CARBは1年に一度、その状況を発表しており、エコカー販売の先行指標として各社はその結果を注視している。
2013年9月末までの1年間はEV専業の米テスラ・モーターズが圧倒的な首位だった。だが昨年まで25クレジットの販売にとどまっていた日産自動車が、今年は663クレジットの販売とテスラを僅差で抜き、首位に躍り出た。
日産は同州でEV「リーフ」の販売を伸ばし、ZEV規制の基準達成に余裕が出てきたとみられる。また伊フィアットが3位に入った。
これは筆者がカリフォルニアで定点観測したデータに近い。今年6月上旬、一定時間内に同州の高速道路を走行するEVの台数をカウントした。結果はリーフが圧倒的に多く、次にテスラの「モデルS」、フィアットの「500e」という順番だった。
10月上旬、世界の14の環境非政府組織(NGO)が連名で、経済協力開発機構(OECD)参加国の財務大臣と輸出信用機関あてに、石炭火力発電所新設、炭鉱開発、関連インフラ整備に関する金融支援を直ちに停止…続き (11/8)
日本が輸入する液化天然ガス(LNG)は割高とされる。火力発電用の燃料費抑制にはこの引き下げが急務だ。調達改革の様々な取り組みが始まっている。だが、日本は本当に買い負けているのか。市場構造を冷静に見極…続き (11/1)
各種サービスの説明をご覧ください。
・アジア拓く病院革命児 シップHD、直接経営を推進
・富士通系、生産計画管理システム アジア販売
・テリロジー、容量拡大と処理速度両立のストレージ
・東洋紡、アクリル系繊維の生産倍増
・日本フルハーフ、パワコン専用コンテナ…続き