バフェット氏が教える税制の賢い利用法-10億ドル強浮かせる
11月13日(ブルームバーグ):著名投資家で資産家のウォーレン・バフェット氏は、米国の税制をうまく利用して得する方法をわれわれに再び教えてくれたようだ。
米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイ の会長を務めるバフェット氏が、値上がりした保有株と交換で事業を買収する取引をまとめたのはこの1年で3回目となる。「キャッシュリッチ・スプリットオフ」と呼ばれる手法を用いることで、公開市場で株式を売却した場合に生じるキャピタルゲイン(有価証券売却益)課税の負担を回避できる。
バークシャーは13日、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の電池部門デュラセルの買収で合意したと発表。バークシャーが保有する約47億ドル(約5440億円)相当のP&G株と交換する形で買収する。
バフェット氏がP&Gの株式を市場で売却すれば、約3億3600万ドルの課税ベースに対して通常35%の税率が適用されるため、株式交換で10億ドル余りを浮かせる効果が期待できる。P&Gにとっても売却に伴う課税額を減らせるメリットがある。
バークシャー株を保有するクック・アンド・バイナム・キャピタル・マネジメントの共同創業者であるリチャード・クック氏は「35%のキャピタルゲイン課税の負担を取り除くことで、バークシャーはより魅力的な価格で今回の取引実行が可能になった」と指摘した。
原題:Buffett Seen Saving More Than $1 Billion in Taxes With P&G Swap(抜粋)
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更新日時: 2014/11/14 11:04 JST