ふんどしが「おしゃれなナイトウェア」に 女性向けふんどしの魅力とは

ふんどし専用の通販サイト「SHAREFUN(R) 」のアイテム Photo by: Fashionsnap.com

 女性の皆さんは、「ふんどし」を着用したことがありますか? ふんどしといえば「お祭りの男性下着」が定番ですが、実はその「ふんどし」が今、身体に優しいおしゃれなナイトウェアとして健康志向の高い女性を中心に人気を集めています。デザインも"古くてダサい"ふんどしではなく、色鮮やかで幅広いバリエーションが発売されており、年々着用者が増加しているとのこと。今回は、女性向けの「ふんどし」が持つ魅力や健康への影響について調べてみました。

■そもそも"ふんどし"とは?

 辞書によると、ふんどしは「 男子が陰部をおおい隠す細長い布」のこと。一般常識で考えても"男性向け"の認識が強いようですね。そのルーツは一体どこにあるのでしょうか?

 歴史をさかのぼると、室町時代に「手綱(たずな)」と呼ばれていたものが現在のふんどしにあたります。当時、布はとても高価なものだったことから貴族だけが着用できた高級品とされていました。江戸時代に入ると一般庶民にも浸透し、初期では「下帯(したおび)」と呼ばれ、後期になると「ふんどし」という呼び方が確立。浮世絵に描かれたふんどしを露出している姿からもわかるように、ふんどしは下着ではなく働く男性の仕事着として着用されていました。ちなみに女性は、腰から脚部にかけてまとう「腰巻き」という下着が主流だったようです。

 江戸時代まで男の仕事着として扱われていたふんどしは、終戦後に日本が欧米化していくとともに、下着もふんどしからパンツへとシフト。着用者が激減したことからいつしか「古い」「男臭い」「恥ずかしい」などとふんどしに対するイメージも下降していきました。そのため、ふんどしを見る機会はお祭りなどの"ハレ"の日が多く、慣習としてのアイテムだという認識がされるようになりました。

■ふんどしが"おしゃれなウィメンズの下着"に変わるまで

 そんなふんどしですが2008年12月に、ワコールの子会社ウンナナクールから突如登場した「女性のためのふんどし『ななふん』」で大きくイメージチェンジをすることになります。

「une nana cool」の「ななふん」

 「ななふん」は、「une nana cool(ウンナナクール)」が上下セットのナイトウェアとして発表した女性用下着。当初は、"究極のストレスフリーな下着"を目指し、締め付ける部分をすべて取り除いた「ワイヤーのないブラジャー」を先に開発しましたが、形状がふんどしの形に見えたことから"締め付けないショーツ"として女性向けにふんどしを制作することになったそうです。素材は、コットンを使用。「もっと下着を楽しんでもらいたい」という考えから、デザインは幅広いバリエーションを展開しています。発売を開始してから半年間は計画枚数を上回る売れ行きを記録し、これまでの累計販売枚数は上下合わせて約10,000枚。人気ぶりは今も健在で、直近で発売した柄は一ヶ月間で上下合計1,000枚ほど売り上げました。広報担当者は、「『ななふん』のようなデザイン性の高いふんどしはそれまで存在していなかったので、画期的なアイテムになりました」と語っています。

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