LotosLabo

プログラミング技術とか気になった情報を載せていきます

とあるゲーム会社に一ヶ月間インターンに行ってきた話 第一話

就職活動の一環として、東京のとあるゲーム会社にゲームプログラマーとしてインターンシップをしてきました。一ヶ月間、会社の一員として仕事をし、もし付いていけるようだったら内定を出すという条件です。

前日


 上京してきて一日目、その日は台風でした。
 就職活動でよく東京に訪れていたのですが、私が来る日はよく天気が荒れたり、大雪が降ったりと、まさに雨男というべき存在。25キロのスーツケースを持って、上京2日前に契約したマンスリーマンションに辿り着きました。なぜギリギリになって契約することになったのかはあえてここでは語りません。マンション付近には歩いて30秒のコンビニエンスストア、また5分ほど歩くとスーパーマーケット、100円ショップ、薬局、駅も徒歩10分圏内のところにあり、立地条件として最高でした。そして部屋にも家具が一式ついており、風呂・トイレが別で、一ヶ月間暮らすだけとはいえ、贅沢すぎるほどです。持ってきた荷物を整頓し、その日荷物運びを手伝ってくれた友人と夕食を食べに行き、雨風がひどくなってきたので早めにマンションに戻りました。
 そこへ一本の電話が来ました。会社からです。
「はい、もしもし」
「おお、ロートス君お疲れ様。今日東京に来たんだっけ?」
「はいそうです。お疲れ様です。」
「明日なんだけど、台風の影響で電車にも影響が出るみたいで、みんな出勤できないと思うから、始業時間、午後の1時からにするね。」
「ああそうなんですか」
「じゃあ明日楽しみに待ってるよー」
「はい、よろしくお願いします!」

 外は雨風がひどく、私も明日どうやって出勤しようと考えていたところでしたが、午後出勤となり、気持ちが少し和らぎました。仕事は明日から始まりますが、インターンに行く前に会社へは何度か訪れており、緊張というものは余り感じられませんでしたが、これからゲームプログラマーとして働くということへの期待感を胸に、窓に叩きつける雨音を聴きながら眠りにつきました。

初日

 初出勤日、私は始業開始20分前に到着しました。社員は全員で10人ちょっとですが、半分も来てませんでした。どうやら皆さん台風の影響で遅れているようです。到着後、トイレの場所や会社での規則を軽く説明された後、私がこれから一ヶ月間使うデスクに案内されました。デスクにはモニターが2つ、タワー型のパソコンが乗っかっており、技術書が複数置いてありました。始業開始から数分後社員の皆さんが揃いました。前回会社に訪れた時に自己紹介は済ませていたので、今度は軽く自己紹介を済ませ、お仕事の開始です。

 最初の一週間は研修かなと思い、技術書を見たりして、言語やツールの勉強かなと考えていました。しかし、私は次の一言でその幻想を打ち砕かれました。

「ロートス君には今会社で作っているゲームの一つの機能をこの一ヶ月間で完成させてもらいます。」
「え、あ、はい、わかりました。」

と先輩社員に言われました。

 あれ、研修とか無いのかなと思いつつ、ツールの使いかたを教えてもらいながら仕事を始めました。仕事で使うツールは扱ったことがなく、初めてでしたが言語にはこのブログ等でもすこし触れていたので、基礎的なことは理解していました。最初はデザイナーさんによって作成されたボタン等に機能を追加したりと表面的なところを作成しました。先輩は付きっきりで見てくれるというわけではないので、もし自分で調べてもどうしてもわからないことがあったら、聞いてください。という形です。仕事をして午後7時となり、先輩にご飯に連れてってもらいました。仕事初日の夜ご飯は焼きサンマ定食です。私自身サンマが大好きで、疲れた身体を癒すには最高の栄養でした。

「ロートス君はどうしてうちの会社にインターンしようと思ったの?」
「明確な理由などはありませんが、初めて会社に訪れた時に、今会社で作っているゲームを見せてもらい、自分もこの会社でいっしょにゲームを作りたい、またこんな素晴らしいゲームを作っている方達といっしょに仕事をしたいと思ったからです。」

「ほぉー そうだったんだ。 でもうちの会社なんてよく見つけたね。」
「たまたま、ゲーム会社探していたらふと目について、応募しました。明確な理由がなくてすみません。」
「いや、いいんだよー」


こんな感じで先輩との会話を楽しみながら、美味しいサンマを食べ終わりました。

 時刻は午後8時前、そろそろ仕事が終わりの時間かなと思いつつ、作業をしていましたが、誰も帰ろうとする気配はありません。仕事が始まり、7時間ほど経ったが初日ということもあるのか、身体が疲れきっていました。今までに工場での10時間労働や、SNSの監視など忍耐力を必要とするアルバイトをしてきましたが、また違う疲れでした。そこで私は、昨日着いたばかりで部屋には何もないし、少し買い物がしたいなということを、さっそく先輩に言ってみました。

「え、昨日来たばかりなんだー。じゃあ店閉まる前に帰ったほうがいいね。今日は9時ぐらいまででいいよー」
「すみません、ありがとうございます。」

私は与えられた作業をして、9時になったので帰る準備を始めました。
そこで、先輩から声がかけられました。

「ロートス君、今日は初日だから多目に見るけど、うちの会社の暗黙のルールとしては最低でも10時まで仕事することが決まっているの。もう少し自分が会社の一員として働いていることという責任をもって、考えてスケジュールを組んでください。後、今日仕事中に言った調べてきてくださいと言ったことは宿題にしておきます。」

「はい、分かりました…」


一気に帰りの足取りが重くなってしまった。みなさんに挨拶を済ませ、会社を出ました。今日は13時から21時までの仕事でしたが、明日からは10時から最低でも22時。12時間もずっと座って仕事することになります。私は大きな不安を抱えながら、家路につきました。

家に着いてからは先輩に言われたことを調べ、メモ帳にまとめました。時刻はまだ11時過ぎですが、明日のためにも早めに眠りにつきました。