ソフトバンクは4日、2015年3月期通期の営業利益(国際会計基準)が前期比17%減の9000億円になるとの見通しを発表した。従来予想の1兆円から下方修正した。昨年買収した米携帯大手スプリント事業で販売拡大のための費用が想定を上回るとして、収益見通しを引き下げたため。
記者会見した孫正義社長はスプリントについて「目先の収益を目指すのではなく、中期的により本質的な経営改善を行う方向へかじ取りが切り替わった」と説明。そのうえで同社の収益改善の見通しについて「長くて苦しい戦いだ。短期に急激に良くなるものではない」との見方を示した。
売上高は20%増の8兆円とする見通しを変えなかった。純利益の見通しは開示していない。
同時に発表した14年4~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比37%増の5607億円だった。関連会社であるアリババ集団の米ニューヨーク証券取引所上場に伴い、5631億円の持ち分変動利益を計上したことが寄与した。持ち分変動利益はアリババ上場後の公募増資などにより同社の資産規模が変動したことに伴う会計上の利益で、現金収入は発生しない。
売上高は58%増の4兆1043億円、営業利益は19%減の5966億円だった。本業である国内の移動通信事業は堅調だったが、前年同期に計上したガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)とウィルコムの株式評価益がなくなったことが影響した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕