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エボラへの恐怖が強まる米国、一部に過剰反応も

2014年10月19日 10:50 発信地:ワシントンD.C./米国

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×米ワシントンD.C.(Washington D.C.)のホワイトハウス(White House)前で防護服を着て「フライトを止めろ!」と書かれたプラカードを持ち、エボラ出血熱が猛威を振るっている西アフリカからの航空便の運航を完全に停止するよう求めるメリーランド(Maryland)州アナポリス(Annapolis)から来た男性(2014年10月16日撮影)。(c)AFP/MLADEN ANTONOV
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【10月19日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は18日、感染拡大の懸念が高まるエボラウイルスについて、「ヒステリーや恐怖心」に屈することがないよう呼びかけた。米国内の報道によれば、各地で過剰反応ともいえる動きが出始めている。

 メーン(Maine)州の港湾都市ポートランド(Portland)にあるストロング小学校(Strong Elementary School)に子どもを通わせているマット・デクスター(Matt Dexter)さんは、地元紙ポートランド・プレス・ヘラルド(Portland Press Herald)に対し、小学校が保護者に通知しないまま、教師の1人を米国内で初めてエボラ出血熱と診断されて死亡した男性が入院していた病院があるテキサス(Texas)州ダラス(Dallas)に行かせたことについて、多くの保護者が不安を募らせていると語った。

 デクスターさんは同紙に、「ニュースを見ると色々な人が『リスクはゼロ、リスクは低い』と話しており、全米レベルでそう言われ始めているが、そんなことを聞くのはもう本当にうんざりだ」と述べ、「結局のところ、リスクはあるんだ」と憤りをみせた。

 また、ニューヨーク(New York)州のシラキュース大学(Syracuse University)はジャーナリズム専攻課程の授業の一環として、米紙ワシントンポスト(Washington Post)のフォトジャーナリストでピュリツァー賞(Pulitzer Prize)を3回受賞したマイケル・ドゥシル(Michel duCille)氏を招いて話を聞く予定だったが、この計画を中止した。

 ドゥシル氏が仕事でリベリアに滞在していたことがその理由だが、すでに帰国からエボラウイルスの潜伏期間とされる21日を経過しており、同氏には何の症状も出ていない。

 ドゥシル氏は全米報道写真家協会(National Press Photographers AssociationNPPA)が発行する雑誌ニューズフォトグラファー(News Photographer)に対し、「シラキュース大学のジャーナリズムのレベルに失望した。大学が自ら、素晴らしい教育の機会を手放したことに怒りを感じている」と語り、「シラキュース大学はその代わりに、自ら集団ヒステリーに陥った」と批判した。シラキュース大学側は、学生から不安の声が上がったことに対応したと弁明している。

 さらに、ミシシッピ(Mississippi)州ヘーズルハースト(Hazlehurst)ではある中学校の保護者の一部が、校長がザンビアで行われた兄弟の葬儀に参列したとして、子供の登校をやめさせている。

 ザンビアはアフリカ南部に位置し、エボラウイルスが猛威を振るっている西アフリカからは遠く離れている。

 オバマ大統領は18日、国民に向けに毎週行っている演説で、エボラウイルスの問題に過剰に反応しないよう呼びかけた。「非常に危険な病気だが、ヒステリー状態に陥ったり、恐怖心に屈したりする訳にはいかない。そうなれば、国民に必要な情報を正確に提供することが困難になるだけだからだ」として、「科学的知識に基づいて行動しなければならない。基本的な事実を忘れてはならない」と訴えた。(c)AFP

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