本田が開幕1か月で勝ち得た信頼 「彼は宝」「もはや誰が彼を外すというのか」
Soccer Magazine ZONE web 10月6日(月)8時18分配信
セリエA開幕から1か月強。ACミランの日本代表MF本田圭佑はレギュラーの地位を確固たるものにしたのだろうか。
4日のキエーボ戦。後半33分、ペナルティーエリアの外、左寄りの位置からの直接FK。4枚の壁を外側から巻いたシュートはゴール左隅に突き刺さった。先制点も右サイドから、その左足で放り込んだクロスが起点となっており、本田はこの日、2点に絡む活躍。ミランに4試合ぶりの勝利をもたらした背番号10を5日付のイタリア地元各紙も高く評価している。
ガゼッタ・デロ・スポルト紙は本田に対して、メネズと並ぶチーム最高の7点を与えている。シュート3本、決定機の演出3度、パス成功が37本中32本というデータを紹介。寸評で「(本田)の今季4ゴール目はミランの恐怖を取り去る一筆だった。ゆっくりスタートするが、成長して1点目にも絡んだ。常にゲームの中で生き生きしていた」と報じている。
コリエレ・デロ・スポルト紙も7点の高評価。「赤と黒(ミラン)の中で一番持続性がある。今季4ゴール目。初めてのFK(のゴール)」と称えた。
さらに本田を高く評価しているのはトゥット・スポルト紙だ。7・5点で最優秀選手に選出し、「最も優秀。積極性があり、ボールをもらい、マークも超越できる。ゴールも決めた。FKで試合を締めくくった。彼は宝だ」とまで言い切っている。
今のミランに全盛期ほどの輝きがないとはいえ、欧州屈指の名門クラブであることに変わりはない。その背番号10を背負う日本人は昨季、辛辣な批判にさらされたが、今では監督、選手、さらには辛口な地元メディアからも高い評価を集めている。
昨季途中から加入し、思うように結果を残せなかったが、今季リーグ戦6試合すべてで先発し、4得点2アシスト。チームの全13得点のうち、半分近くのゴールに絡んでいるのだから、周囲も認めないわけにはいかないだろう。コリエレ紙もこの日の紙面で「もはや誰が彼を外すというのか」と問いかけている。
ミランの前線にはフェルナンド・トーレスやジェレミー・メネズ、ステファン・エルシャラウィら各国を代表する攻撃陣が揃う。そんな熾烈な競争がある中でも、地元記者から「今、最も貢献している選手は本田」との声が出始めている。
開幕から結果を残すことで本田は試合に出続けられる状況を引き寄せた。信頼されれば、自然とボールが集まり、チャンスも増える。そこで結果を残せば、その地位はさらに絶対的なものになっていく。今、背番号10は好循環の波に乗りつつある。
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
最終更新:10月6日(月)8時42分
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