日銀短観、大企業製造業DIが2四半期ぶり改善:識者はこうみる
[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)では大企業製造業の業況判断DIがプラス13となり、2四半期ぶりに改善した。同非製造業はプラス13で、2四半期連続で悪化した。市場関係者の見方は以下の通り。
●ポジティブサプライズ、増税後の反動減から脱出
<SMBC日興証券 チーフエコノミスト 牧野 潤一氏>
大企業・製造業DIは市場予想に反し改善し、ポジティブサプライズだ。消費増税後の反動減から脱する動きとなった。
輸入物価や人件費などコスト高を懸念する声はあるが、価格マージンは改善傾向にあり価格転嫁にも大きな問題はない。さらに、想定外の円安で経常利益も上振れするとみられ、2014年度はプラス4%程度の増益となりそうだ。また企業の業況感が低迷するなかでも雇用不足感は強まっており、雇用者所得の増加を通じた内需の自律的回復が期待できる。
日銀の強気な景況感は変わらないとみられるが、物価下振れに応じて12月にも追加金融緩和が実施されると予想している。
●輸出株に買い意欲向かい安心感広がる
<岩井コスモ証券・投資調査部副部長 有沢正一氏> 続く...