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 アフリカ東部ウガンダの病院で、4本の腕と4本の脚がある状態で生まれた男児の手足の切除手術が行われ、成功した。医師団は「元気に成長するだろう」としており、両親は「みんなに助けてもらった。将来は医師か人の命を守る警察官になってほしい」と話している。

 手術を受けたのは、ポール・ムキサちゃん。母のアウィノさん(28)は5月27日、首都カンパラから車で4時間ほど離れたウガンダ東部の村でポールちゃんを産んだ。新生児の下腹部に2本の腕と2本の脚が付いていることが分かると、村中大騒ぎに。「悪霊の呪いだ」と言われて殺されそうになったが、知人が救急車を呼んでくれ、カンパラの国立病院に運ばれた。

 担当したカケンボ・ナセル外科医(37)によると、ポールちゃんの体重は当時5・8キロもあり、「自然分娩(ぶんべん)で産めたこと自体がミラクルだった」。検査した結果、双子の一方の胎児の発達が止まり、もう一方の胎児と結合した「寄生性双生児」という珍しい症例であることがわかった。結合した胎児には頭部や心臓はなく、腕と脚が成長していた。ポールちゃんは胎児と骨盤を共有し、心臓と肝臓が左右逆についていた。