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号泣元県議 立件へ聴取

 「号泣会見」の兵庫県の野々村竜太郎元県議(48)が政務活動費で日帰り出張など不自然な支出を繰り返していた事件で、兵庫県警が詐欺や虚偽公文書作成・同行使容疑で複数回にわたり、野々村氏から任意で事情を聴いていたことが13日、分かった。捜査関係者によると、野々村氏は不正支出を認めるような供述をしているが、あいまいな点もあるという。県警は今後さらに事情を聴き、立件に向け捜査を進める。

 兵庫県警が野々村氏から事情聴取していたことが分かった。同氏に対しては、県議会や市民団体が政務活動費の不自然な支出について、詐欺や虚偽公文書作成・同行使罪で刑事告発していた。事情聴取は今月に入り、任意で複数回、実施された。野々村氏は不正支出を認めるような供述をしているが、あいまいな点もあるという。

 捜査関係者によると、野々村氏は11~13年度に切手代として約250万円を請求しているが、県警が調べた結果、大半が商品券などの金券を購入していた疑いが浮上した。事務費として計上した政務費の一部で食料品を買った疑いもあるという。

 収支報告書によると、野々村氏は13年度、東京や城崎温泉(兵庫県)など4カ所への日帰り交通費として、領収書を添付しないまま、195回分、計約300万円を政務費から支出。大量の切手代の計上などのほかにも不適切な支出が指摘されていた。

 野々村氏は7月1日に政務活動費を巡る問題で自ら会見を開いた。会見中盤から興奮気味になり「この日本を…うっうっ~うっ世の中を、よ、世の中を変えたい」と号泣して釈明。同11日に辞職した。その後、県警が7月18日に野々村氏の自宅などを家宅捜索していた。受け取った政務費1834万円は全額返還している。

 野々村氏は県議会の調査に「出張や切手購入は事実」とする一方で詳細については「記憶にない」「分からない」と説明していた。県警は今後も事情聴取を数回実施し、立件に向け裏付けを進めるとみられる。

 ◆刑法第156条「虚偽公文書作成等」 公務員が公的な文書を偽造したり、変造したりすることを禁じる。署名入りの公文書の偽造や変造の場合、1年以上10年以下の懲役。役所名や署名等のない公文書の偽造、変造の場合は、3年以下の懲役または20万円以下の罰金となる。

<政務活動費問題の経過>

 ▼2011年4月 野々村竜太郎氏が兵庫県議に初当選

 ▼14年6月30日 県議会が13年度政務活動費の収支報告書を公開。195回分の出張費として約300万円の支出が判明

 ▼7月1日 野々村氏が記者会見。「精力的な活動の結果で不正はない」と疑惑を否定し、号泣

 ▼2日 梶谷忠修議長が野々村氏を厳重注意

 ▼7日 会派代表者会で野々村氏への辞職勧告を決定。梶谷議長が勧告文を手渡す

 ▼11日 野々村氏が辞表提出

 ▼12日 自らのブログで「辞職に伴うお詫び等」のタイトルで謝罪

 ▼9月13日 兵庫県警が任意で事情聴取していたことが判明

 [2014年9月14日9時34分 紙面から]

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