2014-09-14

「手に職」って詐欺みたいなもんなんだな

当方いわゆるwebプログラマ30代。大学卒業に失敗しているので学歴としては高卒年収は800万に届かない程度。webプログラマインターネット上で目立っている有名プログラマも多くて、彼らと自分を比べると絶望するくらいに自分スキルは低い。でも最低限の能力はあると思う(参考までに、 GitHub 上で一番starをもらっているリポジトリは 14 star というレベルの実力。150 star くらいあるリポジトリに PullRequest を送って取り込んでもらったことがあるという程度)。

で、このレベル人間が周りの年上プログラマを見てると、「なんだ、こいつらが食って行けるなら、俺は楽勝で食って行けるじゃん」って思うことが多い。「その辺のちょっとだけできる大学生のほうがよほどまともだぞ」みたいなコード書く人間がのうのうとプログラマとして食って行ってる。ほんとうにひどいやつらが多くて、一番笑えたのが「経験豊富だしどん欲に学習してきたのでどんな言語対応できます」って言ってた39歳の人間で、彼は「高階関数」という概念がまったく理解できなかった。「関数ポインタ引数で渡すみたいなもんですよ」って言ったら「関数ポインタとか実務で使うことないしwwwwwww」みたいに返されて絶句した。よく 2chプログラマ板で「if と for がわかればなんでも書けるし」みたいなこと言ってるやついるけど、「あーこういう人間がああい書き込みするんだな」って変に納得できた。

でもそのひとは会社からそこそこの金をもらってた。それ見て思ったんだけど、いくらひどいコードであっても、「とりあえず動くものが作れる」っていうのはスキルの一種であることには違いないんだな。正直絶対に一緒に働きたくないし、そいつが書いたコードは絶対にメンテしたくないけど、メンテナンス性がどれだけ大事かってことを理解している経営層っていうのは少ないみたいで(これは経営層じゃなくてむしろプログラマ側のコミュニケーションスキル問題の気がする)、とりあえず動いているように見えるものを作ることさえできれば、お金を握っているひとからお金を引き出すことは可能なんだな、ってことをそいつを見て理解した(またこいつが「コード読めないひと」をだますのがうまいんだ)。

で、ここで初めてタイトルにつながるんだけど、ようするにそれが「手に職」ってことなんだな、って思ったんだ。

詐欺ってのは言い過ぎにしても、「手に職」って言われる職業ってだいたい寡占なんだよね。たとえば資格がないとできない職業資格を持った人間の寡占状態にある。プログラムを書くのに資格必要ないけど、プログラムの読み書きは未だに特殊技能で(これは教育問題だと思う)、コードメンテナンス性の善し悪しを判断できるのもまたプログラマだけであるという意味でやっぱり寡占状態にある。

自分プログラマからこの寡占状態に恩恵にあずかっている側で、おかげで「ひとまず職にあぶれることはなさそうだな」っていう安心を得ることができているんだけど、この寡占状態って絶対不健全で、たとえば誰の目にも数字という形でわかりやすく現れてくる営業(一方から勝手見方で、営業の世界にもいろいろあるのかもしれない、イメージで語ってゴメン)だったら、「あい数字悪いな、切ろうぜ」ってなるレベル人間が「まあでも我々にはプログラマ世界はわからないからなぁ、彼は優秀っぽい雰囲気があるし」みたいな感じでお金をもらうことができるんだもん。

からやっぱり「手に職」って詐欺っぽい要素があると思う。だってそもそも「手に職があれば食うに困らない」って時点でおかしいじゃん。最低レベルの営業職と、最低レベル技術職、どっちも最低のはずなのに「俺は技術職で手に職があるから困らない」ってどう考えてもおかしくない?やっぱり詐欺だよこれって。

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    何がいいたいのかわからんけど 最低限の営業職ってのは最低1本は仕事がとれるレベルなのか0本なのかによっては話が変わる

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    ちょっとわかる気がする。 それ見て思ったんだけど、いくらひどいコードであっても、「とりあえず動くものが作れる」っていうのはスキルの一種であることには違いないんだな。 ...