12月に初の無人飛行に挑む米航空宇宙局(NASA)の次世代宇宙船「オリオン」の試験機が11日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターで報道関係者に公開された。
オリオンは2020年代以降に火星や小惑星への有人飛行実現を目指してNASAが開発中の4人乗り宇宙船。12月4日に予定する試験飛行では飛行士を乗せずにデルタ4ロケットで打ち上げ、地球を2周して太平洋に帰還する計画。
保護シートに覆われたオリオンの本体は、電力や推進力を供給するサービスモジュールの上に載せられ、同センターの試験棟から、燃料や冷却剤を注入するための別の建物に台車でゆっくりと移動した。打ち上げトラブル時にオリオンをロケットから安全に分離する脱出装置を上部に取り付けると準備が完了する。NASAの責任者は「形状は(1960~70年代に有人月探査に使われた)アポロ宇宙船に似ているが、最先端の技術を集めた全く新しい宇宙船だ」と語った。
試験飛行では国際宇宙ステーションの高度の約15倍の5800キロまで上昇し、時速3万キロ超で大気圏に突入。約2200度の高熱から飛行士や装置を守る耐熱材の機能などを確かめる。(米ケープカナベラル共同)