自閉症のセラピーは早期に開始すると効果あり:米研究
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コミュニケーションをとるのに困難を抱えたり、反復的な行動を繰り返したりする自閉症。症状はさまざまで、どこまでを自閉症ととらえるのか定義は定かではないが、決して珍しい病気ではない。
その自閉症について、ひとたび症状が認められたら、セラピーを早期に開始するほど効果が高く、発達の遅れなどを防ぐことができるという研究結果がまとまった。
親に接し方のトレーニング
カルフォルニア大学の研究チームが生後6−15カ月の乳児7人とその親を対象にセラピー試みた。
乳児7人は、アイコンタクトを避ける、対人関係を築けない、意思伝達がでないといった自閉症特有の症状が認められ、うち4人は兄弟も自閉症と診断されていた。
研究チームは、乳児7人の親に自閉症の子どもへの接し方、興味の引き出し方などのトレーニングを受けてもらった。
トレーニングは1回1時間のセッションを12週間にわたって行うというもので、研究チームによると6−8週間で訓練を受けたセラピストと同レベルの水準になり、実生活ではそうした方法で子どもに接してもらった。
言葉や学習スキルで効果
すると、乳児7人のうち6人で、2—3歳になるまでに言葉や学習スキルで上達が見られた。同様の自閉症症状を抱えながら親によるセラピーを受けていない子どもに比べると、その発達度は明らかに進んでいたという。
こうしたことから、研究チームは早期にセラピーを開始することが重要との結論に至った。
サリー・ロジャーズ教授は「子どもと毎日接している親は、早い時点で”サイン”に気付く。その段階でセラピーを始めることで、子どもの発達を早期に”修正”することができる」と話している。
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- 出典元:Autism Treatment in the First Year of Life - Journal of Autism and Developmental Disorders(9/12)
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2014年09月14日 10:24
こういう記事を見ると、より幸せな社会になるために、障害の有無にかかわらず乳幼児を持つ親への手厚い支援を実現したい、と思いますね。