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埼玉高速鉄道の健全化急ぐ 県、事業再生ADRを発表

2014/9/13 1:00
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 埼玉県の上田清司知事は12日、県などが出資する第三セクターの埼玉高速鉄道が、私的整理手法の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)で負債を処理すると正式発表した。輸送人員が計画を下回り続け、経営が行き詰まった。有利子負債の圧縮や累積損失の解消で経営を健全化させる計画で、金融機関などとの債権者会議で協議する。

 同鉄道は東京メトロ南北線と川口市内、さいたま市内を結ぶ14.6キロの路線で、2001年の開業以来、最終赤字が続く。県は約46%を出資する筆頭株主。

 同社は14年3月期末で1161億円の有利子負債を抱える。今回、県主導でまとめた経営再建策では、事業再生ADRを使った負債圧縮と累積損失の解消が柱となる。

 負債圧縮では、民間金融機関の約400億円の有利子負債を県が肩代わりするため、第三セクター等改革推進債(三セク債)を発行する。県と川口市、さいたま市からの借入金は株式に振り替えるデット・エクイティ・スワップ(DES)も行い、約200億円の負債を切り離す。

 埼玉高速鉄道は11月にも、第三者機関の事業再生実務家協会(東京・千代田)に事業再生ADRを申請する予定。同協会が中立的な立場をとり、同社と銀行など金融債権者との債務調整を行う。県は3回程度の債権者会議を開き、事業再生ADRを成立させたい考えだ。

 同社の14年3月期の累積損失は696億円に上る。事業再生ADRの申請に伴い、同社は固定資産の評価額を約900億円引き下げる予定で、累損額は一時的に1500億円規模に膨らむ見込み。

 この累損について、14年3月期末の資本金約1000億円と、DESで株式に振り替えられる200億円、三セク債による肩代わりで見かけ上生じる約300億円の利益を充てて解消する。

 今回の再建策を実施するため、県は損失補償の実施分を9月補正予算案に盛り込むほか、三セク債の起債に関する議決も県議会に求める。

 県の試算では、一連の再建策が行われれば、16年3月期の有利子負債が570億円となる。借入金・利息の返済負担が14年3月期比で約8割減るほか、資産評価の減額で減価償却費も軽減される。この結果、輸送人員を堅実に見積もっても、16年3月期の経常利益を2000万円確保できると想定する。上田知事は「経営が安定すれば、将来的には配当も期待できる」と強調した。

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上田清司、埼玉高速鉄道、ADR、DES、東京メトロ南北線

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