実は明日は早朝から、仲間と釣り大会である。
8人で船を借り切って大阪の北港から出航して、和歌山沖などでジギングをする予定になっている。
ただし、明日は修羅場になる予定だ。
なぜなら8人のうち、ある程度釣りをする人間は、言い出しっぺの僕ともうひとりだけ。あとはほとんど釣竿をもったことがない人たちだからだ。
言い出しっぺとして、若干責任があるので、乗船後釣り場に着くまでに、ヘミングウェイのようにフィッシングを愉しむためにはどうしたらよいか、みんなに一席ブツつもりだ。
明日の朝はさすがにブログを書く時間がないので、今夜、その覚えをここにまとめて、ブログの一記事としたい。
1.ルアーは自分でしっかりラインに結ぼう
ルアーのついた竿をもたしてもらったからといって、いつでも、誰かがそれをしてくれるとは限らない。必要な時は、自分でラインにくくりつけること。
だから、ちゃんと話を聞いて、釣り場に着くまでに、インプルーブド・クリンチ・ノットを覚えたまえ。
話半分に聞いて、丸結びをし、せっかくかけた大物に、ルアーを持っていかれたら、チャンスを逃しただけでなく、ルアー代もあなた負担になる。
いい加減な仕事で、せっかくのチャンスを無駄にするのは、ビジネスや恋愛カンケーだけで十分なはずだ。
ラインをしっかり結んで、今日の釣りを契機に、人生もやり直すのだ。
2.ルアーを投げるときは後ろを見てから投げること
前ばかり見て、ルアーを投げるのに必死で、後ろを見ないひとがいる。狭い船の上だ。いつかは、誰かの鼻の穴にルアーの針をかけて、思いっきり放り投げるときがくるだろう。
個人的にはそうしてやりたい相手も乗船していることは理解しているが、自分がそういう目にあうと、たぶん、かなり痛いから、それだけはやめたほうがいいい。
3.釣り上げた魚をルアーから外すときは細心の注意を払うこと
魚が釣れたら、ルアーから外すときに、十分注意すること。死に物狂いの抵抗で、魚が跳ねたらルアーの針は凶器となる。
僕は昔、30数センチのバスを人差し指の肉に針1本でぶら下げたことがある。ルアーから外そうとしたときにバスが跳ねて、もう片方のルアーの針が指に刺さり、そのままぐさりと貫通して、バスがぶら下がった。
そういう時、魚はおとなしくしていてくれない。バタバタと暴れる。
釣り上げた魚に痛い目に合わされるのは、慣れておられるとは思うが、やっぱりかなり痛いから、注意したほうがいい。
4.釣れた魚と写真を撮るときは、魚を自分から前に突き出すこと
魚が釣れたら、もし、あなたにも釣れてしまったら、誰かを呼んで写真を撮ってもらおう。
その際は、魚を両手で持って、自分の前に精一杯突き出すこと。
遠近法のマジックで、魚はかなり大きく見える。
目安としては、だいたい、メダカがスズキに見える。
あと、そんなことはないと思うが、あなたが一匹も釣れないで終わりそうなら、誰かが釣った魚を借りて、スマホで1枚写真を撮っておこう。
ただし、けっしてその写真をFBにあげてはいけない。
理由は言わずもながなである。
世の中には信頼できる友などいない。
5.釣れない日も釣りは楽しい
もし、あなたが魚釣りに行って、毎回毎回、50センチの魚を10匹釣るとする。
10日ぐらいで飽きてしまう。
だいたい、釣りと言うものは、10日のうち8日の釣れない日があり、2日だけ満足に釣れる日がある。それではじめて、釣りの楽しさが生まれるので、釣れない日のない釣りというのは、原理上ありえないのである。
だから、仮にまったく釣れないとしても、それは楽しさの一部なのである。
『釣り船のワリカン分1万5千円が、この小あじ1匹に化けたか』などと、コストパーフォーマンスを計算してみても、誰の利益にもならないことを肝に銘じること。
6.自分だけ釣れていなくても釣りは楽しい
もし、あなたが仲間と魚釣りに行って、うまい人も下手な人もラッキーな人も不運な人も、みんな同じ数だけ釣れたなら、みんなで釣りに行く楽しみがなくなってしまう。
だいたい、釣りと言うものは、釣れる人もいるし、釣れない人もいる。それではじめて、釣りの楽しさが生まれるので、釣れない人のいない釣りというのは、原理上ありえないのである。
だから、仮に、ほかの連中はよく釣っているのに、自分だけまったく釣れないとしても、それは釣りの楽しさの一部なのである。
そもそも、人生とはそういうものではないか。あなたはすでにそういう体験を積み重ね、それを楽しむすべを知っているはずだ。
photo by Julie Falk