国連安保理:日本、理事国入り有力…バングラデシュ辞退

毎日新聞 2014年09月06日 21時39分(最終更新 09月07日 09時16分)

バングラデシュのハシナ首相(左)と笑顔で握手する安倍首相=AP
バングラデシュのハシナ首相(左)と笑顔で握手する安倍首相=AP

 【ダッカ田所柳子】安倍晋三首相は6日午後(日本時間同)、バングラデシュを訪問し、首都ダッカの首相府でハシナ首相と会談した。ハシナ首相は2015年10月に行われる国連安全保障理事会・非常任理事国選挙への立候補辞退を明言し日本を支持する意向を表明した。両国は同選挙でアジア・太平洋グループの改選1議席を巡り争ってきたが、バングラデシュの辞退で、日本が当選する公算が大きくなった。

 ◇首脳会談で表明

 非常任理事国の任期は16年1月から2年間。日本が当選すれば09〜10年以来6年ぶり11回目で単独トップとなる。会談後の共同記者会見でハシナ首相は「アジア太平洋地域の連帯、統一の観点から日本を支援・支持する」と述べた。安倍首相は謝意を表明。会談後、記者団に「日本が国際社会に対し積極的に貢献していこうという姿勢も評価していただいた」と述べ、非常任理事国入りを前提に安保理改革を進める意向を強調した。

 日本はドイツ、インド、ブラジルと共に安保理常任理事国入りを目指しており、安保理改革の機運を盛り上げようと非常任理事国入りを重視。5月のバングラデシュとの首脳会談で最大約6000億円の支援を表明するなど経済協力を働き掛け、水面下で立候補の取り下げを促していた。

 今回の会談では、5月に表明した最大約6000億円の経済支援を再確認。運輸・交通インフラ整備▽安定した電力・エネルギー供給▽都市開発▽民間セクターの成長−−の4分野で支援を進めることで合意した。日本からの原発輸出に向け、両国の専門家対話の年内開催でも一致した。

 このほか安倍首相は、7月の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を説明し、ハシナ首相は歓迎する意向を示した。中国の海洋進出も念頭に、航行の自由や公海上空の飛行の自由の重要性を改めて確認。来年の早い時期に外務次官級協議を開催し、両国関係の強化を図る方針で一致した。

 日本の首相の同国訪問は森喜朗元首相以来14年ぶり。安倍首相は7日にはスリランカを訪問する。

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